2022 Fiscal Year Annual Research Report
インプラントデバイスを使用した新しい眼内薬物徐放システムの開発
Project/Area Number |
19K18849
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高瀬 範明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00812124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 網膜 / 加齢黄斑変性 / 抗体医薬 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
抗VEGF療法は、VEGFのはたらきを抑える抗VEGF薬を眼内に注射してVEGFを抑制し、滲出型加齢黄斑変性症や、糖尿病黄斑浮腫の治療として広く用いられる。 しかしながら再投与が必要であることが多く、また効果も最長で2ヶ月と短い。本研究は、抗VEGFのような水溶性高分子製剤を眼内で徐放が可能か、長期に眼内の薬効を保つことができるかを、動物実験により検証する。 はじめにプロトタイプとして眼内レンズ型中空デバイスを作製し、さらに作製したデバイスを家兎の前房内に移植し、前房内でのフルオレセイン溶液の徐放を調べた。中空構造を有する眼内レンズ型デバイスを使用して、家兎の眼内において2ヶ月以上の持続的なフルオレセインの徐放が可能であった。 引き続き、緑内障インプラント模倣タイプ(結膜下インプラント)は3Dプリンターを使用しアクリル素材で作成した。インプラントは小型のアクリル容器で先端が直径0.5mmの薬物徐放の開口部を有する。家兎の結膜下に埋没し、インプラントの先端は強角膜トンネルを作成し、虹彩と角膜の間の前房のスペースに留置した。 インプラントの容器の中に、モノクローナル抗体を注入し、乾燥させ、その後網膜剥離の手術で用いるSF6ガス、及びC3F8ガスを封入する。ウサギの眼にインプラント後はモノクローナル抗体の濃度を、前房水を採取しELISAを用いて測定し、3ヶ月以上の持続的なモノクローナル抗体の徐放が可能であった。 またデバイスの形状を見直し、新たにチューブ式カートリッジタイプのデバイスを作成し、徐放薬剤の交換が容易な形状を考案した。さらに水溶性高分子製剤に様々なゲルを組み合わせることにより、徐放速度の最適化を行っている。
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