2020 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性網膜硝子体疾患におけるRGS5の役割解明と革新的分子標的治療の展開
Project/Area Number |
19K18863
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
梅野 有美 久留米大学, 医学部, 助教 (30795737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RGS5 / 増殖糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
増殖性網膜硝子体疾患におけるRegulator Of G Protein Signaling 5(RGS5)の役割を解明する目的で、増殖糖尿病網膜症(PDR)患者の線維血管増殖膜(FVM)と硝子体液30検体を硝子体手術中に採取した。増殖組織におけるRGS5の局在を免疫染色で、患者硝子体中ペリオスチンの濃度をELISAで測定した。対照として、硝子体手術中に採取した特発性網膜前膜患者(ERM)の硝子体液30検体を用いた。免疫染色ではRGS5は患者線維血管増殖膜(FVM)中のαSMA陽性細胞と共染色された。 ELISAによるPDR患者の硝子体液中のRGS5濃度は、ERM患者硝子体中RGS5濃度よりも有意に高値を示した。また、PDR患者の硝子体液におけるRGS5の濃度は、線維血管増殖膜(FVM)の存在と有意に相関していた。一方でPDR患者では、硝子体液におけるRGS5濃度とペリオスチンの濃度に有意な相関がなかった。 以上の結果から、RGS5は線維血管増殖膜の発生や進展に特異的な役割を果たしている可能性が示唆された。FVMの発生においてRGS5とペリオスチンは独立して線維血管増殖促進に関与している可能性が示唆された。
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