2019 Fiscal Year Research-status Report
抗酸化剤を対象としたハイスループットスクリーニングによる新規緑内障治療薬の探索
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19K18869
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 悠 東北大学, 大学病院, 助教 (00597312)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 緑内障 / 神経保護 / 薬剤スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障治療において、眼圧下降に依存しない、十分なエビデンスによって確立された神経保護薬は未だ存在しない。その理由として緑内障は多因子疾患であり、眼圧非依存的な病因因子が複数存在すると推測される。これまでの基礎および臨床研究から、酸化ストレス、小胞体ストレス、興奮毒性、慢性炎症などが緑内障の病態に関連があるとされている。本研究では抗酸化メディエイターであるNrf2を活性化する化合物をライブラリースクリーニングにより探索することを主目的とした。まずマウス海馬由来神経細胞株HT22に対し酸化ストレスの誘導を試みた。既報にある過酸化水素、グルタミン酸、メナジオンなどによる刺激により、それぞれ細胞死を誘導することを確認した。続いてフリーラジカル検出のためCellRoxによる酸化ストレスの測定を試みたが、バックグラウンドが高くシグナルが正確に検出されていない可能性が示唆された。この現象はプレートリーダーおよびフローサイトメトリーにおいても同様であり、実験系の問題ではない可能性が高いと判断した。酸化ストレスの測定が困難な可能性があるため、バックアッププランとして抗炎症作用を持つ化合物も平行して探索した。東北大学薬学部が保有する約6000化合物からNF-kB活性を抑制する化合物を探索し、細胞毒性を示さず、なおかつ濃度依存的にNF-kB活性を抑制する化合物をレポーターアッセイにより評価した結果、候補化合物を10以下までに絞り込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の化合物ライブラリースクリーニングからヒット化合物を選別できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化ストレス実験系の構築とともに、ヒット化合物であるNF-kB活性抑制剤の薬効メカニズムならびに動物モデルでの検証を実施する。
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Causes of Carryover |
予定どおり、本年度でヒット化合物を選別できており、次年度も予定通りに培養による薬効、毒性の検証ならびに緑内障モデル動物を用いた神経保護効果の評価が必要であるため。
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