2019 Fiscal Year Research-status Report
CTLA4阻害剤による網膜色素上皮炎モデルの作製と病態メカニズムの解明
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19K18871
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
向井 亮 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70436327)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / ぶどう膜炎 / CTLA4 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害剤の適応の拡大が予想される中で、免疫チェックポイント阻害剤における免疫関連有害事象の眼科的マネージメントの重要性を広く知っていただくべく、その予防対策を検討することを目的として、本研究を実行している。さらには本研究はipilibmabが誘導すると思われる免疫関連有害事象を眼内で誘発させ、一種の自己免疫性炎症モデルとして成立するかどうかを検証することも目的としている。 現在、上記に二つの目的を達成すべく、C57/BL6雌マウスを用いて、CTLA4の投与を行い、その後の、生体眼球内での変化を光干渉断層計を用いて検討し、また眼球摘出後の眼球内での変化として、脈絡膜・網膜・視神経での変化を免疫組織学的に検討を行っている。さらには、CTLA4投与後の全身的影響を調べるため、免疫細胞の集積する脾臓での変化、頭蓋内全般での変化を組織学的に検討中である。 当科領域においてぶどう膜炎としてのモデルマウスとしては、ボツリヌス毒を用いた方法などが確立しているが、Vogt-Koyanagi-Harada病に関連したような炎症を誘発するマウスモデルは現時点では存在しないことから、ipilibmabが誘導すると思われる網膜色素上皮炎が今後新規のモデル動物になる可能性を秘めている点に重要性があると思われる。一方で、CTLA-4を介した網膜における免疫システムについてはこれまで着目されていない点であり、その標的細胞がどこにあるのか、介在する細胞やメカニズムに関しても解明を目指し、引き続き今年度も研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、C57/BL6雌マウスを用いて、CTLA4の投与を行い、その後の、生体眼球内での変化を光干渉断層計を用いて検討し、また眼球摘出後の眼球内での変化として、脈絡膜・網膜・視神経での変化を免疫組織学的に検討を行っている。さらには、CTLA4投与後の全身的影響を調べるため、免疫細胞の集積する脾臓での変化、頭蓋内全般での変化を組織学的に検討中である。生体での変化、免疫組織学的な変化、脾臓、頭蓋内での変化を、CTLA4の濃度を様々に3段階に振って現在検討しており、3段階中、2段階までの変化について検討を行っている。5月下旬には3段階目の濃度での検討に移行して予定であり、上記区分に相当するものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述中にもあるが、CTLA4の濃度を最大に振ったところでの検討を5月より始め、8月までに、上記3段階での変化についての、眼球内、全身性、頭蓋内の変化についてサマライズしていく予定である。また本研究について、学術論文へのまとめを本年度中に行い、また学会への発表を今年度から次年度にかえて行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
CTLA4の初期の濃度設定である予備実験に時間がかかったため、本実験の開始が当初の予定より遅れが生じた。前述したように、現在3段階の濃度中、2段階目の最終実験を終えており、今月中に、3段階目の実験を開始し、それらのデータを今夏をめどにサマライズしていくことを予定している。
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