2021 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン散乱光解析を用いた悪性リンパ腫と加齢性変化の鑑別
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19K18873
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 優子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10801516)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / ラマン散乱光 / 加齢性変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は留学による研究中断のため、2021年4月1日より、中断した4月20日までの研究について実績を記載する。 2020年度に作成したin vitroドルーゼンモデルにおける、ApoEの発現の、定量的な評価を行った。具体的には、トランスウェル上に3か月培養した網膜色素上皮を10ウェル使用した。なお、この10ウェルは同時に培養を開始し維持した。 5ウェルにヒト血清を1週間添加し、残り5ウェルには添加せずにSerum Freeのまま維持した。同日に10ウェルを4%PFAにて固定し、ApoE抗体およびアレクサ488二次抗体を用いて免疫細胞染色を施行した。なお、血清添加群、非添加群ともに、1ウェルのみ一次抗体を用いないネガティブコントロールをおいた。BZ-x700にて20倍の対物レンズを用いて抗体の発現範囲を評価すべく撮影した。撮影においては、撮影部位は画一的に、ウェルの中心において3×3のタイリングモードを使用した。撮影された写真は、画像解析ソフトFijiにて解析を行った。免疫染色陽性であった部位が画像全体に占める割合を評価した。 一次抗体を用いないネガティブコントロールにおいては、血清の添加・非添加に関わらず、陽性の面積は0.001%であった。ヒト血清を添加しない4ウェルでは平均0.09%(標準偏差0.05)で免疫染色が陽性であった。これに対し、ヒト血清を添加した4ウェルでは平均0.79%(標準偏差0.44)にて免疫染色が陽性となった。両群の平均値の差をt検定にて検定したところ、統計的に有意な差がみられた(p<0.05)。これにより、今回用いたin vitroのモデルでは、ドルーゼンの構成成分であるApoEの発現が亢進していることが定量的に確認された。
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