2019 Fiscal Year Research-status Report
角膜実質細胞の分化における小胞体ストレス応答の働き
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19K18879
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮城 秀考 広島大学, 病院(医), 病院助教 (80526210)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / 角膜線維芽細胞 / PERK / 筋線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胚線維芽細胞を2ng/ml TGF-βで刺激し筋線維芽細胞への分化を促すと、小胞体ストレスマーカーであるBiPやspliced XBP-1の遺伝子発現が誘導されることから、小胞体ストレスが起きていることが示唆された。また、小胞体ストレス応答経路の主要な3つのセンサータンパクであるPERK、IRE1、ATF6それぞれをノックアウト、またはノックダウンしたマウス胚線維芽細胞をTGF-βで刺激し、それぞれの筋線維芽細胞への分化をα-smooth muscle actinの遺伝子発現で評価すると、PERKをノックアウトしたマウス胚線維芽細胞においては発現が抑制された。以上のことから線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化には小胞体ストレス応答経路の内、主にPERK経路が関わっていることが示唆された。 並行して、野生型マウスの角膜を採取し、disc上で培養することでマウスの角膜実質細胞を分離培養する手技を確立した。また、ヒト強角膜片から角膜実質を切り出し、dish上で培養することで角膜実質から線維芽細胞を初代培養することに成功した。今後はこれらの細胞を用いて、上記の反応が角膜実質細胞でも起きるのかを検証していく予定である。また、これらの細胞をサプシガルギンやツニカマイシンといった小胞体ストレス誘導剤で刺激した際に、小胞体ストレス応答経路(特にPERK経路)を介して角膜線維芽細胞の分化が誘導されるかを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主として実験を担当していた研究協力者が急病のため実験を中断している。また、新型コロナウイルス感染症蔓延に対する対策として、研究室の使用を中止しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症のある程度の鎮静化を待ち、研究室の使用が可能になった時点で研究責任者自身が研究を引き続き進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究のセットアップに時間がかかったため、初年度に予定していた研究の大半を次年度に行うこととした。次年度はin vitroの研究をメインに行うため、細胞培養やPCR、Werstern blottingに用いる実験資材、またヒト強角膜片の購入に研究費を使用する予定である。
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