2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18888
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
伊野田 悟 自治医科大学, 医学部, 助教 (60741098)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 深層学習 / 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
錐体細胞が集中し、視力に大きな影響を与える網膜の黄斑部を撮影した光干渉断層計像を用い、視力予測と、予後視力予測を深層学習アルゴリズムの開発を行っ ている。光干渉断層計像には網膜の微細な構造を記録できるため、視力の予測に有効である。 また、深層学習の学習には、適正なデータ数とそれを学習するためのシステムの構築が重要である。画像認識分野での深層学習での 学習速度に重要なGPUメモリは130 Tensor TFLOPS 、576 基の Tensor コア、24 GB GDDR6 メモリおよび107 tensor TLOPS 544基 Tensor コア 11GB GDDR6メモリにより、システムの改良を行った。その結果、滲出性加齢黄斑変性の光干渉断層計画像から撮影段階の視力は、決定係数R2; 0.512, RMSE; 0.350,MAE; 0.321の精度まで測定できた。網膜静脈閉塞症ではR2;0.961, 糖尿病網膜症ではR2; -0.115と疾患の違いにより差を認めたが、統計的有意差はつかなかった。一方で、実測定視力が低い場合にR2が低くなることが示された。原因として、今回用いた視力結果は、本邦で一般的に測定される少数視力を用いたこと、実測視力が低い場合には光干渉断層計では評価できない網膜以外による視力障害が影響する可能性が高いと考えられた。また、有水晶体眼と人工レンズ眼では後者のほうが中間投光体の影響を受けにくく予測良好になると予想していたが、有水晶体眼での予測が良好であった(統計的有意差はない)。最新の光干渉断層計では、中間投光体の影響を受けにくいとされることに加え、本邦では視力低下を自覚した段階で白内障手術を受けることができ、白内障による視力障害の影響が小さかった可能性が考えられた。
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