2020 Fiscal Year Research-status Report
涙道閉塞眼における眼表面涙液組成変化の検討による閉塞原因の解明
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19K18889
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石川 聖 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20774243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 涙道閉塞 / 涙道内視鏡 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は、(1)涙道閉塞眼と非閉塞眼における涙液組成の違いの検討(2)涙道手術時の内視鏡を用いた涙道内所見 (3)涙道術後の涙液組成変化の検討(4)術1年後の経過良好群と涙道再閉塞群の涙液組成の比較の4段階を行う予定であり、2段階目の検討が終了した。 1段階目の研究では、涙道閉塞患者の涙液量(シルマー試験値)と炎症性サイトカイン(IL-6)は非閉塞眼と比較し有意差を持って高いことがわかったが、涙液浸透圧は有意差がなかったこと、そして、涙道手術後に再閉塞する群は、再閉塞しない群と比較し涙道内の菌検出率には差を認めなかったが、緑膿菌を検出した場合は再閉塞率が高いことがわかった。 2段階目の研究では、涙道閉塞患者のうち再発した患者はそうでない患者と比較し、術前の涙道内視鏡検査所見で肉芽形成をしていることが有意に多いことがわかった。また、涙道手術後に再閉塞する群は、全身疾患として高血圧や糖尿病に罹患している割合も高いことがわかった。 涙道閉塞に関与している原因として①炎症性変化、②涙液組成の変化(特に涙液油層の性状変化)、③涙液、涙道内への菌混入の3つの要素を考えているが、①炎症性変化への影響が強いことが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で、研究に参加予定だった涙道閉塞の手術患者の手術を延期・キャンセルした症例が多く、現在術後の検討ができずに止まっている状態になっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の第3段階以降(3)涙道術後の涙液組成変化の検討(4)術1年後の経過良好群と涙道再閉塞群の涙液組成の比較、を行う予定。COVID-19の影響で予定していた手術が中断・延期となったため、2020年10月より日帰り手術を開始し、研究対象となる手術症例が確保されるようになってきている。 今後も手術制限等で手術患者の治療が行えない状態になった場合は、入院手術で行っていた手術を外来手術に切り替えて手術数を確保して対応する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行により当初予定していた研究への患者の組み入れが困難となり、研究計画が遅延したため、当初使用を予定していた研究費を使用しなかったため。
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