2019 Fiscal Year Research-status Report
キマ-ゼを介した甲状腺眼症における眼窩内組織線維化の解析
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19K18896
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
三村 真士 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90733436)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 甲状腺眼症 / キマーゼ / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺眼症に対してChymase阻害剤を用いた分子標的療法の可能性を模索するため、現在BALC/cマウスにプラスミド50μLを筋注、エレクトロポレーションすることでhTSHRの遺伝子導入し、甲状腺機能亢進症のマウスモデルの作成実験を行った。モデルは、遺伝子導入により甲状腺機能亢進症の発症を確認できるところまできており、現在安定した実験動物モデル作成に取り掛かっている。 また、倫理委員会での承認を得たため、ヒト眼窩軟部組織においてChymase活性が上昇していることを確認するために、随時手術によって採取できた甲状腺眼症のヒト組織においても、同様に眼窩線維芽細胞の免疫染色、real time-PCRおよびwestern blot法を用いてchymase, TGF-β, collagenα, fibronectin, α-SMA, MMP-1,2,7,9を確認中である。症例の蓄積については、徐々にではあるができており、今後データの統合、検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当大学内で放射線同位元素を用いた研究が禁止されたため、モデルマウスの作成において、比較的時間のかかるエレクトロポレーションを用いた方法を選択したため。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスの作成が達成された場合に、マウスの眼窩組織におけるキマーゼの発現を証明する。また、臨床においても、甲状腺眼症患者の組織内にキマーゼが有意に発現していることを証明する。そして、キマーゼの発現が確認された場合には、キマーゼ阻害剤による甲状腺眼症の進行抑制について、動物モデルで確認していく。
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Causes of Carryover |
放射性同位元素の仕様が不可能となったため、実験の遅れが生じている。このため、当初予定していた実験のための費用が少ない結果となっているため、次年度使用額が生じている。次年度はさらなる動物実験を行うため、動物購入および試薬の購入などに使用する予定である。
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