2020 Fiscal Year Annual Research Report
難治性皮膚潰瘍に対する炭酸ガスレーザーを用いた低出力照射治療の創傷治癒効果解析
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19K18918
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新行内 芳明 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80837071)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低出力照射治療 / 炭酸ガスレーザー / 創傷治癒 / 線維芽細胞 / 難治性皮膚潰瘍 / シグナル伝達分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で、炭酸ガスレーザーの低出力照射治療により、皮膚線維芽細胞の増殖能、及び遊走能が促進することを報告した。本研究を開始するにあ たり、まずは前回研究内容の再検証を行った。 炭酸ガスレーザーのLLLTによるヒト皮膚線維芽細胞の増殖能、遊走能への影響をみるために、播種した細胞に様々な出力条件( 0.1, 0.5, 1.0, 2.0, 5.0J/cm2)でレーザーを照射した後に、それぞれMTS assay、Scratch assayを行った。次に、1.0J/cm2の条件で炭酸ガスレーザーを照射した線維芽細胞からタンパク質を採取し、Akt, ERK, JNKといった細胞内シグナル伝達分子の活性変化を、Western Blot Analysisで解析した。最後に、各シグナル伝達分子の阻害剤を使用し、各種シグナル伝達経路を阻害した状態で、MTS Assay, Scratch Assay及びWestern Blot Analysisを行った。 結果として、MTS assay及びScratch assayでは、1.0J/cm2という条件のレーザー照射時に、線維芽細胞の増殖能及び遊走能が最も促進された。Western Blot Analysisでは、レーザーを照射した線維芽細胞においてAkt, ERK, JNKの活性化がみられた。また、それらのタンパク質をそれぞれ阻害すると、レーザー照射による細胞増殖能、及び遊走能促進効果が抑制され、各種シグナル伝達分子の活性化も抑制された。 以上の結果から、炭酸ガスレーザーのLLLTにより、ヒト皮膚線維芽細胞の増殖能及び遊走能が促進され、またその過程にAkt, ERK, JNKといったシグナル伝達分子の活性化が大きく関わっていると示唆された。炭酸ガスレーザー照射が創傷治療の新たな選択肢として検討されるべき根拠となる重要な結果を再検証した。
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