2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of microsurgery training system using smart devices
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19K18921
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
辛川 領 公益財団法人がん研究会, 有明病院 形成外科, 副医長 (60802171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロサージャリー |
Outline of Annual Research Achievements |
①マイクロサージャリーのARシステムの開発:初期のプロトタイプで作成したトレーニングシステムでは、1眼カメラであり2Dディスプレイであったため、奥行きや立体感が感じられず、実際の手技と乖離があるという課題があった。そこで、USB顕微鏡カメラ2台使用したステレオカメラを作成しARシステムを用いたトレーニングシステムを開発した。練習者が無理のない姿勢で実際の手術と同様のトレーニングが可能となるような、カメラおよび練習材料の配置、固定方法を決定した。②ARシステムの評価実験:マイクロ針付縫合糸と練習用模造血管を使用し,試作システムのアクセス性、解像度、立体感、遅延について形成外科専門医2名による妥当性評価を行った。開発システムのち円時間は180msと許容範囲内であり、立体視が可能であった。2mmの人工血管および鶏血管を用い、9-0ナイロンでの吻合に成功した。③追加機能実装:効率的なトレーニングのために追加機能を実装した。専門医の手技の見本映像を教師映像として、VRヘッドマウントディスプレイ内の端に別画面として表示されるようにした。フットペダルで教師映像の 再生/一時停止・3秒進む/戻る を可能とする機能を実装した。専門医の血管吻合手技を84工程に分解し、それぞれのトレース式見本映像をトレーニング術野に重畳できる機能を実装した。また、視差調整を容易にするためのソフトウェアおよびフットペダルによる拡大縮小機能を実装した。④ARを用いたマイクロサージャリートレーニングシステムの評価実験:初学者(初期研修医)にシステムを使用してもらい、手技の向上を評価した。システムによるトレーニング使用前と後で1針の縫合は16分から6分へと大幅な時間短縮を認めた。言葉では伝えにくいような動作(糸をつかむときの持針器の角度等)の伝達において、トレース式システムが有用である可能性が示唆された。
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