2019 Fiscal Year Research-status Report
疾患特異的iPS細胞を用いた症候群性頭蓋縫合早期癒合症に対する新規治療法の開発
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19K18930
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
池 大官 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50784344)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症 |
Outline of Annual Research Achievements |
アペール症候群の患者2名より採取した肉芽組織より線維芽細胞を初代培養した。(アペール症候群由来線維芽細胞:ApF1, ApF2)センダイウイルスを用いてOCT3/4, SOX2, KLF4, L-MYCの4遺伝子を導入した。ウイルス感染して1週間培養した後に、Lamini511-E8 fragment(i-Matrix 511)にてコーティングしたディッシュにリプレーティン グした。iPS細胞専用培地(StemFit)を2日おきに交換し、約3週間後に形成されてきたiPS細胞様コロニーをピックアップした。ApF1より42コロニーをクローニングすることができた。(ApF2ではiPS様コロニー出現せず) その後i-Matrix 511コーティングによるフィーダーフリー 培養を継続し、継代の過程において線維芽細胞・分化細胞のコンタミネーションや分化傾向の明らかなコロニーを破棄していった結果、10株のiPS細胞状の敷石状コロニーを形成する細胞株を確立することができた。これらのiPS細胞株は全てアルカリフォスファターゼ染色陽性かつOct4, Nanog, SOX2, SSEA4蛍光染色陽性であり、未分化能を有していると考えられた。このアペール症候群由来iPS細胞(ApiPS)と先行研究により確立したファイファー症候群由来iPS細胞(PfiPS)、正常患者由来iPS細胞(NiPS)を用いて、報告されている方法にて骨・軟骨分化誘導実験を施行したが、意図した誘導を確実に得ることができず、疾患特異的iPS細胞と正常iPS細胞のPhenotypeの相違を同定することができなかったため、誘導条件を確立中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
意図した通りの分化誘導が進まず、条件を再確立する必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、骨・軟骨分化誘導条件を確立し、疾患特異的iPS細胞と正常iPS細胞のphenotypeの相違点を発見することに注力する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により3月の研究を自粛したため。前年度に引き続いた分化誘導実験に使用する。
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