2019 Fiscal Year Research-status Report
Functional elucidation of TWIST 1 in stemness of Mesenchymal stem cells
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19K18937
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
森 樹史 近畿大学, ライフサイエンス研究所, 助手 (40760492)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / TWIST1 / ステムネス |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell: MSC)は骨髄や脂肪、滑膜等の組織から分離される幹細胞であり、骨、脂肪、軟骨細胞への分化能とCD29、CD44、CD90、CD105といった表面抗原により同定される。 MSCを用いた再生医療は関節や筋など運動器をはじめ、様々な組織において有効性が報告されており、今後一層普及することが予想される。 MSCの分離および培養における最大の問題は、MSCの幹細胞性(ステムネス)を維持する機構が明らかでないために、幹細胞の「品質」を定量的に評価することが困難なことである。 これまでに、未分化性やあるいは増殖能を予期するマーカーとして幾つかの表面抗原の有効性が報告されてきたが、いずれも直接的な細胞機能との関連性が不明瞭であった。近年、TWIST1を高発現するMSCが治療効果に優れることが報告された。本研究では、TWIST1がMSCのステムネスに関わる重要な転写因子であるという仮説のもとに、ChIPseq、NET-CAGE、MeDIP/hMeDIPseqといったオミックス技術を用いてステムネス制御因子の転写発現調節におけるTWIST1の機能の全貌解明を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間葉系幹細胞(MSC)は骨髄、脂肪、滑膜から分離される組織幹細胞であり、優れたサイトカイン産生能力と分化能力を有することから様々な疾患に対する再生医療材料として注目されている。一方で、MSCの未分化性や分化多能性、増殖といった幹細胞としての性質(ステムネス)がどのように成立し、維持されているのかはわかっていない。本研究ではMSCのステムネスに関わる重要な転写因子としてTWSIT1に注目し、ChIPseqやNET-CAGE、ATACseqといった新しいオミックス技術を用いて転写制御におけるTWIST1の機能解明を行なっている。 超高効率な遺伝子導入を可能にするRNAウイルスベクターRSVを用いてMSCにTWIST1遺伝子を導入したところ、増殖率が著しく向上した。マイクロアレイ解析を行なった結果、TWIST1強制発現MSC(TWIST1-MSC)ではID1、ID2遺伝子の発現が促進していることが明らかになった。NET-CAGEでID1、ID2遺伝子の転写調節領域を観察すると、プロモーターおよび近位のエンハンサー領域にピークの発生を認めた。 この結果に一致し、TWIST1-MSCでは骨、軟骨、脂肪細胞への分化が抑制された。一方で、未分化MSCにおいてsiRNAによりTWIST1の発現を抑制すると骨、軟骨、脂肪細胞への分化は促進された。このことから、TWSIT1はID1、2のプロモーター、エンハンサー領域に結合し、その発現制御を介して幹細胞の分化を抑制していると結論づけた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的はNET-CAGE、ChIPseqといった解像度の高い転写解析方法を用いてTWIST1が作用するゲノム領域を特定し、MSCへのステムネスへの関与を明らかにすることである。初年度にNET-CAGE、ChIPseqの条件設定とサンプル調整を完了したため、本年度は同サンプルを解析し、NET-CAGEとChIPseqデータの統合を行う。また免疫沈降(IP)-質量分析(MS)についてはより検出感度の高いDIA-MS解析を行い、より多くの転写因子の抽出を図る。最終年となる本年度にはこれまでに取得したデータを整理し、年度後半の論文投稿を計画している。
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Causes of Carryover |
本研究を行う上で必要となるChIP-Seqのデータを取る為、引き続き実験遂行中でありその解析の為に必要な経費となってくる為次年度使用額が発生する。 ジークエンス解析及び、培養に関する物品の為の必要経費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)