2020 Fiscal Year Annual Research Report
胆道閉鎖症患児由来の乳歯幹細胞を用いた病態解析および疾患治療のための基礎研究
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19K18945
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 聡一朗 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10831985)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳歯幹細胞 / 胆道閉鎖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
胆道閉鎖症患児由来乳歯幹細胞(BA-SHED)の組織再生能力改善:2019年度の実績で、BA-SHEDにおけるHNF6の発現抑制によりTGFBR2発現が亢進することを明らかにした。TGFBR2を発現亢進させたBA-SHEDに対して、試験管内でTGF-beta1刺激を行い、細胞内シグナルタンパク質の変動を確認した。機能的なTGFBR2の発現が回復していることが示された。 健常児由来乳歯幹細胞(健常SHED)を用いたBA-SHEDの変異再現:CRISPR-dCas9システムを用いて、健常SHEDのHNF6遺伝子発現を活性化し、TGFBR2の発現を解析した。HNF6発現を活性化することにより、TGFBR2の発現が抑制されることを明らかにした。したがって、昨年度の実績であるBA-SHEDのHNF6の発現抑制によりTGFBR2発現が回復するという知見を勘案すると、HNF6の過剰発現がTGFBR2の発現を抑制することで、BA-SHEDの疾患特異的特性がもたらされることが示唆された。 本研究で得られた知見から派生した研究実績:1) 細胞外小胞による全身的疾患の治療効果についての研究を報告した。乳歯幹細胞を用いた細胞治療機構として、移植細胞から分泌される細胞外小胞が宿主細胞機能を正常化することで治療効果を発揮することを示した。全身性エリテマトーデスモデルマウスおよび卵巣摘出骨粗鬆症モデルマウスに細胞あるいは細胞外小胞を移植し、治療効果を得た。2) 肝線維症モデルマウスへの乳歯幹細胞移植治療効果を評価し、クリニカルグレードの移植用細胞を調整する方法の開発を報告した。また、試験管内で肝細胞様細胞に分化させた乳歯幹細胞を肝線維症モデルマウスへ移植し、細胞移植治療効果および生体内での胆道再生を報告した。
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Research Products
(5 results)