2020 Fiscal Year Annual Research Report
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19K18958
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅野 直美 (石橋直美) 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30738539)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | p62 / LC3A / LC3B / 口腔がん / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
病理学的に正常と診断された正常粘膜上皮においてp62 や LC3A、LC3B が蓄積している状態はオートファジー異常が発生しており、口腔がんの局所再発に関与する可能性を見出したため、これらタンパク質の発現状態を制御するmicroRNA (miRNA)に着目した。miRNAターゲット探索データベースより、p62、LC3A、LC3Bの遺伝子発現を制御するmiRNAを抽出した。それぞれの遺伝子発現を制御するmiRNAは、p62 ; miR-7-5p、LC3A ; miR-140-3p、LC3B ; miR212-5pであり、我々が持っている口腔がんに関するmiRNA マイクロアレイデータベースと照会した。p62 や LC3A、LC3Bはいわゆるがん遺伝子という性質を持つことになるため、がん遺伝子を標的とするmiRNA(がん抑制型miRNA)の発現が低下し、がん遺伝子の発現が増加することで、がん促進的に働くメカニズムを想定していたが、miR-7-5pはがん抑制遺伝子の発現を制御するがん促進型miRNAとして同定された。また、miR-140-3p、miR212-5pもがん抑制型miRNAとして同定されなかった。そこで、我々のもつmiRNA マイクロアレイデータベースより、口腔がんにおいて著明に発現量が亢進しているがん促進型miRNAであるmiR-142-5pについての発現及び機能解析を行った。口腔扁平上皮がん由来細胞株を用いた機能解析では、miR-142-5pを強制発現させることで浸潤能及び増殖能が有意に亢進し、miR-142-5pが発現制御をしているがん抑制遺伝子PTENの発現量も減弱することが確認された。 miR-142-5pは口腔がんにおいて、がん促進型miRNAとして働き、がん細胞の浸潤・増殖に関与していることが示唆された。
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