2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K18962
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
橘 理人 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20636831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔内細菌 / 産婦人科疾患 / マウスモデル / ヘムオキシゲナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔細菌が口腔内だけでなく全身に様々な影響を与えていることを示唆する報告が、近年多くされている。早産、流産、低体重児出産などの産婦人科疾患も口腔細菌との関連が報告されている。しかしながら、感染によって引き起こされるこれらの産婦人科疾患の発症メカニズムに関して、ほとんど明らかにされていない。申請者はこれまでに、流産を引き起こすことが知られている細菌の感染性流産モデルの作製を行い、そのモデルを用いて感染性流産とヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)が関連していることを明らかにした。そこで、本研究では、HO-1に注目し、口腔細菌による産婦人科疾患の発症メカニズムを解明することを企図した。 本研究で行う予定である①産婦人科疾患モデルの作製、②産婦人科疾患モデルにおける基礎的データの収集、③HO-1と流産の関連に関する検討、④栄養膜巨細胞への感染実験のうち、初年度である2019年度は①産婦人科疾患モデルの作成を行った。 細菌によって、菌数、感染経路および病原性を示すタイミングが異なる。そこで、モデルを作製するために、妊娠ICR系マウスを用いた感染実験を行った。妊娠後様々なタイミングで、腹腔内もしくは静脈内に、歯周病原菌であるPorphylomonas gingivalisを投与した。投与後、妊娠18日後に安楽死させ、開腹し、胎児の状態を確認した。その結果、特定のタイミングの感染において、高頻度に胎児が死亡することが認められた。一方で、感染により母マウスが死亡したり体重が著しく低下することは認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で予定していた①産婦人科疾患モデルの作製において概ね予定通りに進んでいると考えている。その理由は以下に記載する。 本研究の推進において重要なことは、口腔内細菌の感染により産婦人科疾患が認められることの確認およびマウスモデルを作製することが可能であるということである。妊娠時に限らずの感染による生体への影響は、様々な因子が関わっているため、マウスの系統、投与する菌数、感染経路、投与するタイミングなどにより、感染させても影響が殆どもしくは全く認められない場合が多くある。また、マウスを妊娠させ、妊娠18日後に結果を確認するという実験計画上、多くの時間が必要である。そのため、モデルの作製は初年度だけでなく、次年度も行うことを想定していた。本年度の実験により、感染による産婦人科疾患をマウスで起こすことができたため、次年度はモデル作製に向けたより詳細な条件の検討を行う予定である。 以上のことから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに、モデル作製に向けたより詳細な条件の検討を行い、モデルの作製および最適化を試みる。加えて、作製したモデルを用いて、②産婦人科疾患モデルにおける基礎的データの収集、③HO-1と流産との関連に関する検討を行う。
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Causes of Carryover |
年度内の納品が困難、年度末納品等にかかる支払いが平成31年4月1日以降となった、加えて、所属機関の異動があり、年度後半における使用が予定していたものより少ないものとなったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、異動先において研究を滞りなく推進出来るように、物品購入および施設使用料などとして速やかに執行する予定である。使用用途はすでに決定している。
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