2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of VEGF-A/VEGFR-2 autocrine loop in oral cancer cells
Project/Area Number |
19K18977
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
川邊 睦記 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10760720)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / VEGF-A / VEGF-R |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がんの90%以上を占める口腔扁平上皮癌(OSCC)治療の課題はリンパ節転移の制御であり,転移のメカニズムを明らかにすることは重要である.そこで,癌の発生と進行における血管新生を担う血管内皮細胞増殖因子(VEGF-A)に着目した研究を行った.VEGF-Aが結合する受容体として,血管内皮細胞に存在するVEGF-Rが挙げられ,近年,VEGF-Rは腫瘍細胞にも存在し,VEGF-Aと結合することで,オートクラインで自身の細胞周期や転移浸潤に寄与することが明らかになりつつある.そこで,上顎歯肉癌から樹立したVEGF-A,VEGF-R1およびVEGF-R2が同時に発現する扁平上皮癌培養細胞(HCM-SqCC010)に対する検討を行った.VEGF-Aで刺激後,Realtime-PCRでVEGFR1およびVEGFR2の発現は上昇した.また,抗VEGF-R1抗体および抗VEGF-R2抗体下で培養したところ,VEGF-Aの発現は大きく抑制された.次に選択的VEGF-R1キナーゼ阻害薬およびVEGF-R2キナーゼ阻害薬によりHCM-SqCC010は用量依存的に抑制され,なかでもHCM-SqCC010におけるVEGF-Aは,増殖をより強く抑制されたVEGF-R2キナーゼ活性に依存すると考えられた.さらにエクソソーム内でVEGF-Aの発現がみられたため,VEGF-AはHCM-SqCC010においてパラクラインで細胞外に放出されるのではなく,細胞膜に存在するVEGF-Rと結合することで活性化する可能性が示唆された.さらにエクソソーム内にVEGF-Aを取り込み、周囲に分散し,pre-metastatic nicheを誘導している可能性も考えられ,今回われわれが樹立した HCM-SqCC010は,頸部リンパ節転移のpre-metastatic nicheを解析する上で,有用な細胞であると考えられた.
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Research Products
(1 results)