2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋田 雄介 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60789163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯髄の痛み / 根管形態 / 治療前診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
多根管を有する下顎第一小臼歯の特徴的なエックス線所見を調査することで、パノラマエックス線画像における根管の急な狭窄の位置が単根管歯と多根管歯とで異なることを見出した。この結果は治療前の根管数の予測・診断に利用でき、痛みの原因の診断や根管治療失敗のリスクを低減し,臨床に大きく貢献することができる。 一方で、根管形態に影響すると思われる加齢変化や、う蝕・象牙質知覚過敏症などの既往や治療歴といった要素は考慮していないため、さらなる検討が必要と思われる。 今年度は、高感度CdTe半導体センサーを搭載したパノラマエックス線装置を用いた検討を行った。本装置は従来のような断層域の情報を2次元的に取得する撮影ではなく、厚み・奥行きのあるデータを取得可能である。これにより撮影後に、任意の断層方向・角度に画像を動かすことで適切なフォーカスに合わせた画像を得ることができる。上述の下顎第一小臼歯に加え、歯根形態・根管形態が臨床的に問題となりやすい下顎第二大臼歯も対象とし、CT画像をゴールドスタンダードとした形態的特徴の分析、従来パノラマエックス線画像や口内法エックス線画像との比較・卑劣性の検討、顎骨近似ファントムを用いた基礎的検討を並行して進めている。 歯科臨床ではコーンビームCTを用いた歯根・根管形態の3次元的な診断が進んでいるが、難治症例などで治療後に撮影を行うことが多い。治療前の口内法エックス線画像やパノラマエックス線画像で従来よりも精度の高い診断を行うことができれば、疼痛制御・治療成績の向上に寄与できると考える。
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