2019 Fiscal Year Research-status Report
自動根管形成・応力測定装置を用いたNiTiロータリーファイルの多面的応力解析
Project/Area Number |
19K18987
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西条 美紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (80832873)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | NiTiファイル / 根管形成 / 根管追従性 / 垂直荷重 / トルク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は主に実験装置を保有する東京医科歯科大学歯髄生物学分野の研究室で行っている。以下の研究内容について報告を行っている。 1.異種回転方法による根管形成時に生じる応力の測定:回転方法に即した応力の蓄積の少ない根管形成の動作を探り、疲労解除のメカニズムを探る。実験に着手しており、国内学会にて一部発表済みである。(時田大輔,西条美紀,宮良香菜,海老原新,興地隆史. 往復回転運動による根管形成時に歯根に生じる応力の解析. 日本歯科保存学会第144回2016年度春季学術大会 2016.06.09) 2.異種挿入速度によるファイルにかかる疲労蓄積・根管形成能の差異の解析:挿入速度の差異による疲労蓄積および根管形態への影響を解析し、臨床における適切な挿入速度を探る。実験に着手しており、国内学会にて一部発表済みである。(牧圭一郎, 時田大輔, 木村俊介, 西条美紀, 宮良香菜, 海老原新, 興地隆史. ニッケルチタンロータリーファイルの上下動速度が根管形態に与える影響. 第146回日本歯科保存学会2017年春季学術大会 2017.06.09) 3.異種ファイルを用いた根管形成時に生じる応力の測定:異種ファイル使用時に生じる応力を解析し、臨床に即した指標を探る。実験に着手しており、国内学会にて一部発表済みである。(時田大輔, 西条美紀, 牧 圭一郎, 宮良香菜, 海老原新, 興地隆史. TF adaptiveシステムを用いた根管形成時に生じる応力の特徴. 第81回口腔病学会学術大会 2016.10.28) 4.ファイル挿入回数による根管形態の変化:術者が根管形成時に根尖を触る回数が根管形態および疲労蓄積に与える影響を探る。実験に着手しており、国内学会にて一部発表済みである。(牧圭一郎, 時田大輔, 木村俊介, 西条美紀, 宮良香菜, 海老原新, 興地隆史. 各種根管形成法における根管形成能の比較 学生による形成に対する評価. 第38回日本歯内療法学会学術大会 2017.07.22)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本科研費申請時に予定していた実験については、当初の計画以上に順調に進展している状態である。以下にその内容を示す。 1.異種挿入圧によるファイルにかかる疲労蓄積および歯根にかかる応力の解析:挿入圧の差異による垂直応力およびトルクを解析し、適切な挿入速度を探る研究である。現在挿入圧の調整が可能な装置は完成し、本実験が終了した段階である。この内容は今後国内学会で発表を予定している。また使用するNiTiファイルの種類を増やし、さらに実験内容を発展させ、海外学会での発表、および海外学術雑誌への論文投稿も視野に入れている状態である。 2.異なる角度の往復回転運動が根管追従性および形成中の応力におよぼす影響の解析:異なる角度(右図)の往復回転運動(正回転が切削方向)で根管形成ができるようエンジンを改造し、これを自動根管形成・応力解析装置に装着して根管形成を行う研究である。この実験は、使用するエンジンの改造および回転角度の設定は完了しており、現在本実験前の条件設定を行っている状態である。今後本実験を進めていき、国内および海外学会発表、そして海外学術雑誌への論文投稿を視野に入れている状態である
|
Strategy for Future Research Activity |
上記に記載の内容については、学会発表および論文作成を進行していく予定である。また上記内容とは別に新たな研究も進行中であるため、それらも同様に進行していく予定である。以下にその内容を示す。 1.新規NiTiファイルの機械的特性:新たに販売が開始されたNiTiファイルの基礎的な器械的特性(回転疲労試験、曲げ試験)の評価を行う。本研究は実験が完了しており、2020年度の国内学会にて発表予定である。また、上記内容に、根管形成能や形成中の応力解析等を追加して、内容を発展させ、海外学会での発表および海外学術雑誌への論文投稿を視野に入れている。 2.XP endo shaperの根管追従性および形成中に生じる応力解析:根管形成用の器具であるXP endo shaperの機械的特性については多く報告されているが、形成中に生じる応力の評価については我々の知る限り報告されていない。そこで、XP endo shaperの回転数を推奨使用範囲内で変更し、回転数の違いが根管追従性および形成中に生じる応力に与える影響について評価することとした。また上記内容に追加して、異なる種類のNiTiファイルについても同一条件で形成を行い、XP endo shaperと比較して評価を行うこととした。この研究は現在実験プロトコル作成段階であるが、設備や装置の性能的に実現可能であり、近日中に実験の開始を予定している。 上記の様に、既存の実験及び新規の実験は順調に進行している状態である。
|
Causes of Carryover |
現在進行中の実験および新規開始予定の実験の経費が必要なため。
|