2020 Fiscal Year Research-status Report
従来法で清掃困難な構造内でのLAI活性化洗浄液の挙動解明と新規洗浄法の開発
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19K18988
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
八尾 香奈子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60802006)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | LAI |
Outline of Annual Research Achievements |
根管治療はいまだに完全な清掃効果を得る手段はなく、1本でも多くの歯牙を保存するために、日々その方法を模索している。近年、新たな根管洗浄法としてレーザー洗浄法(Laser Activated Irrigation 以下LAI)が考案され、細部への高い清掃効果による治療成績向上への貢献が期待されているものの、その詳細を報告した研究はほとんどない。清掃効果のみならず、根尖孔外への溢出リスクも考慮するべきであり、申請者らは以上の点に着目してLAIの清掃効果や安全性の解析・評価を行っており、LAIがチップ先端から離れた側枝内まで清掃効果が及ぶこと、洗浄中の根尖孔外の圧力は従来法と同等以下である事などを示唆する結果を得ている。本研究計画は、申請者らの従来の解析をさらに発展させようとするものであり、従来では清掃困難であった感染部位に対してより根管清掃効果を高め、治療成績を向上させることを目的として、様々な根管形態におけるLAIの清掃効果を根管の複雑な構造を再現した条件で流体力学解析するとともに、安全性、殺菌性、新規洗浄法等の詳細を総合的に検討する。根管逸脱、側枝、イスムスを有した根管に対するLAI根管洗浄の評価のため、まずLAIの光子誘導励起光音響流を粒子画像流速解析する。また、LAIについては根尖孔外に生じる圧力や、光子誘導励起光音響流の流速強度分布、速度また複雑な根管における洗浄効率や、側枝への洗浄圧や側枝外への圧力を測定し、その機序を解明する。さらにそれぞれ根管逸脱部の位置、イスムス、フィンの位置を変化させた条件で、根尖孔外に生じる圧力、蒸気泡挙動、洗浄効率、殺菌効果を総合的に測定し、2020年度中に3本の査読付き論文に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発表2回、受賞1回、査読付き論文3本に受理されたため、おおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
LAIについては根尖孔外に生じる圧力や、光子誘導励起光音響流の流速強度分布、速度また複雑な根管における洗浄効率や、側枝への洗浄圧や側枝外への圧力を測定し、その機序を解明する。さらにそれぞれ根管逸脱部の位置、イスムス、フィンの位置を変化させた条件で、根尖孔外に生じる圧力、蒸気泡挙動、洗浄効率、殺菌効果を総合的に測定する。
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Causes of Carryover |
新型コロナによる感染拡大のため、予定されていた実験計画の一部停止を行った時期があったため。
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