2020 Fiscal Year Annual Research Report
機能性メタボライトの抗酸化作用による歯周炎抑制効果の検討
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19K18990
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松川 由実 (松田由実) 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30804554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯周病 / 歯周炎 / メタボライト / 抗酸化 / 機能性脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度のin vitro実験によって示された機能性メタボライトKetoCの歯肉上皮細胞における抗酸化作用が歯周炎の病態形成に与える影響について、歯周炎モデルマウスを用いたin vivo実験にて検証した。 まず、 8週齢のC57BL/6マウスにKetoCを飲水投与し、7日目に上顎第二臼歯を5-0絹糸にて結紮、同日から歯周病原細菌P. gingivalisを3日毎に経口投与することで歯周炎を発症させ、14日目に安楽死させてサンプリング後、各種解析を行った。歯周炎の重症度は、実体顕微鏡を用いた歯槽骨破壊レベル (余剰な軟組織を可及的に除去し、ソフトウェア上で上顎第二臼歯のセメント-エナメル境から歯槽骨頂までの面積を計測)と歯周組織H-E染色による軟組織の破壊および炎症の程度によって評価した。酸化ストレスの評価は、酸化ストレスマーカーである8-OHdGの組織上での発現量と、歯肉組織サンプル中の抗酸化ストレス関連酵素の遺伝子発現およびタンパク発現をreal-time PCR法およびウェスタンブロッティング法、免疫染色にて比較検討した。 結果から、KetoCが歯周炎組織における炎症および歯槽骨吸収を抑制することが明らかとなり、実験的歯周炎の発症・進行に対する抑制効果を有することが示された。しかし、そのメカニズムとしてKetoCの抗酸化作用が関連しているかどうかを立証することはできなかった。一方、KetoC投与によって歯周炎モデルマウスの口腔内におけるP. gingivalisが減少することが明らかとなり、KetoCの抗菌作用の関与が示唆された。
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