2021 Fiscal Year Annual Research Report
白金ナノコロイドを応用した1ステップアドヒーシブの脱灰象牙質接着性の向上
Project/Area Number |
19K19003
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
勝俣 愛一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60779891)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 白金ナノコロイド / 1ステップアドヒーシブ / 脱灰象牙質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではう蝕象牙質のシミュレーションとして人工脱灰象牙質を用い、白金ナノコロイド処理による1ステップアドヒーシブと脱灰象牙質の歯質接着性の改善を目的とし、脱灰象牙質への1ステップアドヒーシブと白金ナノコロイドの至適処理方法の検討と、歯質長期接着耐久性の獲得に対する白金ナノコロイドの多面的(形態的、物理的)評価を行った。 24時間後の象牙質せん断接着強さを測定すると、白金ナノコロイドをユニバーサルボンドの前処理に用いた時、健全象牙質も脱灰象牙質のいずれも1%に希釈した白金ナノコロイドとリン酸と混和し、リン酸濃度を35%にしたものを1秒間塗布する条件が良好な接着強さを示すことが前年度までの研究で判明した。 最終年度である今年度は、前年度までに得られた象牙質せん断接着強さのデータと破断面形態の観察データをまとめ、日本再生歯科医学会誌(20巻1号, p1-8,査読有り,2022.3.30)に論文投稿を行った。同時に本研究予算で購入したサーマルサイクル試験機を用い、象牙質長期接着耐久性の検討を行った。コンポジットレジン充填した試料を24時間水中浸漬後に、5℃~55℃を1サイクルとしたサーマルサイクルを5,000回負荷後にせん断接着強さを測定した。健全・脱灰象牙質いずれの条件も白金ナノコロイド処理なし条件をコントールとし、短期接着において高い接着強さを示した白金ナノコロイド処理時間1秒条件で濃度100%、10%、1%に分類し測定した。健全象牙質ではコントロールと比較し、3条件とも高い接着強さを示し、脱灰象牙質においても同様の結果が得られた。また、代表的な条件をピックアップし接着界面の観察をSEMにて行ったが、形態的に著明な変化は認めなかった。 今後引き続きデータの取得と解析を行い、論文として発表する予定であり、本研究の意義を積極的に社会へ発信する。
|