2022 Fiscal Year Annual Research Report
咬合性外傷を伴う歯周炎の歯槽骨吸収に対する薬物療法の可能性を探る
Project/Area Number |
19K19006
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
鈴木 允文 明海大学, 歯学部, 助教 (60638518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 外傷性咬合 / メカニカルストレス / 骨芽細胞 / カルシウムイオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎の存在下で外傷性咬合が加わると,歯槽骨吸収が急速に進行することが知られている.しかし,歯槽骨吸収における炎症とメカニカルストレスをつなぐ分子メカニズムはいまだ不明な点が多い.そこで本研究では,骨芽細胞に発現し,メカニカルストレスにより開孔するイオンチャネルtransient receptor potential vanilloid 4(TRPV4)に着目した.Porphyromonas gingivalis由来LPS(P.g-LPS)存在下で培養した骨芽細胞に,メカニカルストレスを負荷し,チャネルを活性化させた際のRANKL発現の変化を検討した. マウス頭頂骨から分離した骨芽細胞を,P.g-LPSを添加した骨芽細胞分化培地で3日間培養し,細胞プレートを小型卓上振とう機に設置,200 rpmで回転振とうさせた際に生じる流水せん断応力を負荷した.メカニカルストレス負荷後,P.g-LPS添加群ではRankl mRNAの発現が有意に上昇した.TRPV4アンタゴニスト添加あるいはTrpv4 siRNA導入により,このP.g-LPS添加群でのRankl mRNA上昇は抑制された. 2022年度は,同じくメカニカルストレス感受性カルシウムイオンチャネルであるPiezo1にも着目して,実験を実施した.Piezo1に関してもアンタゴニスト添加あるいはsiRNA導入によりP.g-LPS添加群におけるRANKL上昇を有意に抑制することが確認された.
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