2021 Fiscal Year Annual Research Report
シアリダーゼのムチン分解による生理的口臭産生の基礎的検討
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19K19012
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
岩村 侑樹 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (90783035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口臭 / シアリダーゼ / ムチン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は生理的口臭において揮発性硫黄化合物(VSC)の基質となるムチンに着目し、その分解に関わる因子の検索を行ったところ、口腔細菌由来のシアリダーゼによるシアル酸の切断が鍵となる可能性があるとの着想に至った。 そこで、シアリダーゼの存在がムチンの分解や口臭ガスの産生量にどの程度関与しているかを検討するため、ムチンの基礎研究によく用いられる豚ムチンを用いたin vitro研究を行った。 P. gingivalisによるムチン分解系にシアリダーゼ、シアリダーゼインヒビター、βガラクトシダーゼ等の試薬を加えて、密閉したガラス管内で4時間、37℃インキュベートした。 まず、インキュベートしたサンプルのヘッドスペースのガスを採取して、代表的な口臭ガスである硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類のガス濃度を測定した。ジメチルサルファイドでは有意な違いは認められなかったが、硫化水素、メチルメルカプタン濃度がシアリダーゼ+βガラクトシダーゼ追加群と他の群との間に有意な違いが認められた。 次に4時間と24時間37℃でインキュベートしたサンプルをSDS-PAGE後、CBB染色(タンパク染色)、PAS染色(糖タンパク染色)し、ムチンの分解程度を確認した。CBB染色では試薬添加によるムチン分解程度の変化が認められなかった。PAS染色では4時間インキュベート時にシアリダーゼの添加することによりムチン分解が進んだ。
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