2020 Fiscal Year Research-status Report
脱落歯のウルトラファインバブル水浸漬による治癒促進効果
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19K19018
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大石 敦之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (50645166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低酸素環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脱落・再植歯に遅発性の歯髄変性と歯根吸収が生じる病態モデルに対して酸素UFB水を作用させ、その治療効果の検証を計画している。2020年度は、COVID19感染対策のため、4月から6月にかけて大学の業務制限が生じていたため、関連研究の情報収集を中心に行った。また、5月に新しい部局責任者が就き、運営体制の更新に伴い、研究計画の修正と、部局設備の改修・整備を行った。この結果、関連研究の報告より、本研究の遂行には、歯髄や歯周組織の細胞は、他の臓器・器官に比べて、低酸素環境への順応性が非常に高いことと、高い酸素分圧環境による組織や細胞への悪影響も考慮するべきであることが分かった。また、昨年度に策定した、ラット臼歯を用いた脱落・再植による病態モデルの作製は、実験試料の完成までに数か月を要する見込みのため、こちらの実験の実施に並行して、培養細胞を用いて、外傷歯(脱落歯)の歯髄や歯周組織に循環障害(虚血状態)が起きている状況を模倣した実験を行うことになった。具体的には、口腔由来細胞の低酸素環境、嫌気環境での生存条件等の調査を行い、この条件下において酸素ウルトラファインバブルを作用させた同細胞の挙動がどのように変化するかを評価すある。本実験に必要な設備は、2021年3月現在整っているため、間もなく実験開始の予定である。なお、動物を用いた実験は結果的に延期となっているが、既に大学での動物実験の審査・承認は受けており、こちらの実験も設備的には実施できる状態にあるため、社会情勢を鑑みて、実施の見込みである。 本研究の進捗は、社会情勢の変化や、部局の運営体制の更新の影響を多く受けているが、確実な前進を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症対策による業務制限や、部局の運営体制の更新のため、研究計画の見直しや、実験設備の改修を大幅に要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いた実験は、実施から資料採得、評価報告までの見積がしやすいため、細胞を用いた実験を軸に実施する。動物実験は、実験実施から資料採得までに継続的に数か月を要するため、細胞を用いた実験の進捗と、社会情勢の経過に併せて実施を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で、旅費の使用は大幅に見合わせとなった。また、所属部署の運営体制の変更に伴い、研究施設の改修の必要性が高まり、使用計画に大幅な変更を要した。
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