2022 Fiscal Year Annual Research Report
Can phototherapeutic applications in the elderly prevent the post-scaling bacteremia in response to changes in body response?
Project/Area Number |
19K19021
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
保苅 崇大 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30827621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病学 / 微生物学 / 菌血症 / 高齢者 / エルビウムヤグレーザー / 低侵襲治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
あらゆる観血処置にともない、一過性の菌血症が発生する。これまでの我々の一連の研究で、中年期の歯周炎患者において、1) スケーリング・ルートプレーニング(SRP)後に高頻度で菌血症が発生すること、2) 抗菌薬(アジスロマイシン)併用やエルビウムヤグ(Er: YAG)レーザー治療により菌血症の発生を減少または抑制できること、3) 局所薬物配送システム(LDDS)は機械的除去療法前の使用でも歯周ポケット内環境を改善できることなどを報告してきた。一方、免疫力が低下している高齢者においては、菌血症が一過性で終わらず、全身性の高リスクとなる可能性がある。 そこで、高齢者に適した安全かつ効果的な歯周治療法を確立し、超高齢社会のニーズに応えるべく、本研究では慢性歯周炎を有する高齢者のSRP時に発生する菌血症、それに伴う生体応答の解析、および光治療(Er:YAGレーザー)による菌血症予防の有効性検討を目的とする。 具体的には、① ハンドスケーラー群:ハンドスケーラーにてSRP実施 ② Er:YAGレーザー群:レーザーにて処置 の2群間で、(1) 血清中バイオマーカー(コルチゾール、高感度CRP、IL-6、IFN-g、TNF-a等) (2) ストレス指標(体温、心拍変動、血中酸素飽和度等) (3) 臨床パラメータ の経時的変化および相関関係を比較解析し、予防対策について検討する。 SRPを実施した結果、両群において歯周ポケット深さを始めとする臨床パラメータの有意な改善を認めた。ストレス反応として、SRP後の体温の上昇が両群に有意に認められた。血清中バイオマーカーにおいては、ハンドスケーラー群のSRP後にコルチゾールの有意な上昇を認めた。以上より、Er:YAGレーザーを用いたSRPはハンドスケーラーよりも、生体への侵襲が少なく、かつハンドスケーラーと同程度に臨床パラメータを改善することが示された。
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Remarks |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、本研究は1年延長となっていた。研究結果は今年度中に英語論文としてまとめ、投稿する予定である。
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