2021 Fiscal Year Research-status Report
感染根管後の歯髄細胞移植による歯髄再生療法を確立するための基盤研究
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19K19043
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大桑 雄太 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (60828739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯髄 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生歯内療法(regenerative endodontic procedures, REP)によって形成された組織は本来の歯髄とは完全に同じであるとは言えないため、改善が必要であると考えている。REPにおいて 歯髄幹細胞(DPSC)の使用することで上記の欠点を解決できるのではないかと考え現在研究に取り組んでいる。 まずDPSCを分離させた方法を示す。歯髄は新生児EGFPマウス(5日齢)から分離させた。細胞を幹細胞培地で培養し、80%コンフルエンシーにした後に増殖させた。1継代目および3継代目の細胞を多能性マーカーであるKLF4用いて分析し、ほとんどの細胞の核において均一なKLF4の発現を確認することができた。 歯髄幹細胞はまた、間葉系細胞マーカーであるビメンチンで染色した。初代培養では、歯髄幹細胞が最大で80%の陽性率を示した。さらに培養物中の歯髄幹細胞以外の上皮細胞の占める割合を確認するために、広範囲のサイトケラチン抗体をもちいて上皮細胞の染色をおこなった。その結果、初代培養では約20%上皮細胞が混在していることを確認したが、1回目と3回目の継代後、上皮細胞の割合は3%未満という結果だった。 またin vivoの実験では、10週齢のC57BL / 6マウスの第一大臼歯を用いてDPSC移植前のモデルの有効性を検討するために、次のような手順でマウスの感染根管モデルを作製した。大臼歯の歯髄組織を除去したのちEDTAをもちいて根管内の洗浄をおこないペーパーポイントにて根管内を乾燥させる。次に、歯髄腔にMTAを充填し、コンポジットレジンで密封上部の封鎖をおこなった。現在 マイクロCTをもちいて4週間まで毎週撮影をおこない。4週経過したマウスの臼歯は切片を作成しH&E染色にて解析をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
世界的に流行した感染症により当初の予定より実験をおこなえる日が少なかったことや、実験の結果で想定したこと以上に検討をおこなうことが増えたため
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスから分離した歯髄細胞を移植して根管内に形成された組織を幹細胞マーカーであるSOX2 、KLF4、Oct4を用いて分析していく予定である
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Causes of Carryover |
2021年度に新たな課題が見つかり、細胞の採取や遺伝子解析に資金が必要であることがわかり、組織切片の作成を外部業者に委託するために残していた研究資金を一部次年度へ繰り越ししたかったため。
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