2020 Fiscal Year Annual Research Report
角化粘膜の存在がインプラント周囲組織の健康維持に果たす役割
Project/Area Number |
19K19051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下元 拓哉 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90807033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インプラント周囲組織 / 角化粘膜 / 多変量解析 / 骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに角化粘膜の存在とインプラント周囲組織の健康状態との関連性に関する研究は数多く報告されているが,いまだ明確な結論は得られていない. その原因として, 交絡因子の調整が行われていないことが挙げられる. そこで, 私は交絡因子を考慮するため, 多変量解析を用いて角化粘膜とインプラント周囲組織の健康状態との関連性について研究し, 学会発表を行なってきた. その研究成果を, Journal of Prosthodontic Researchに投稿し, Acceptされた. (Title: Evaluation of the effect of keratinized mucosa on peri-implant tissue health using multivariate analysis) さらに, 角化粘膜がインプラント周囲組織に及ぼす影響を真に評価するためには, 縦断的な研究が必要と思われたため, 本研究期間内において, インプラント上部構造装着時(T1)をベースラインとして, 周囲骨の変化が大きいことが予想される上部構造装着後1年(T2)に臨床的評価を行い, ConeBeamCTによる頬舌的な骨吸収も臨床的パラメーターとして追加し、多変量解析を用いて角化粘膜の存在がインプラント周囲組織に及ぼす影響を明らかにしようと研究を行った. 骨吸収量に関して, 角化粘膜幅が 2 mm 以上存在する場合, 2 mm 未満と比較して, 近心, 遠心および頬側の骨吸収量は, 有意に小さくなった. 2 mm 以上の角化粘膜幅の存在が, インプラント体周囲の骨吸収に影響を及ぼすことが示唆された.
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