2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of bone regeneration therapy for osteoporosis using bone formation promoting hydroxyapatite
Project/Area Number |
19K19053
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牧原 勇介 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40760418)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ハイドロキシアパタイト |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症の患者は破骨細胞活性が亢進し,骨質および骨代謝が低下している。そのため,骨粗鬆症患者における骨欠損部の回復は非常に困難で,その劣悪な骨リモデリング環境でも,骨形成を確実に達成する骨移植材の開発が望まれている。本研究は,連通多孔性ハイドロキシアパタイト(HA)にリン酸処理を行い,生体活性作用を持つ生体活性型連通多孔性HAである“骨形成促進型HA”を開発,骨粗鬆症を有する骨欠損部位に対して骨形成促進型HAによる骨再生を行うことで骨質ならびに骨欠損を改善し,さらに,骨再生部にインプラントを埋入し,その支持能を評価・検討する。これらにより「骨形成促進型HAを応用した骨粗鬆症におけるインプラント・骨再生療法」の確立をめざすことである。当該年度は下記の研究2を行った。 研究2:骨形成促進型HAによる骨形成およびインプラント支持の検討 ○骨粗鬆症モデルラビットの作製 ○担体およびインプラントの埋入:両側大腿骨に円柱状骨窩を形成し,片側には骨形成促進型HAを埋入し,もう片側には連通多孔性HAを埋入する。12週の治癒期間の後,左右骨再建部の中央にインプラントを埋入し,埋入トルクを測定する。 ○初期固定およびインプラント支持能の評価初期固定:埋入トルク値および埋入4週,8週にISQ 値を測定。μCT 撮影後,一方をインプラント引き抜き試験にて,逆トルク値を測定(n=6)。他方は骨組織を採取し,非脱灰研磨標本を製作し,組織学的,組織形態計測学的(骨・インプラント接触率および新生骨面積率)に評価。→骨粗鬆症モデルにおいて骨形成促進型HAを応用した骨再建およびインプラント骨支持を検討し,そのIn Vivoにおける有用性を明らかとする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は,研究2:骨形成促進型HAによる骨形成およびインプラント支持の検討を行っているが,骨粗鬆症モデルラビットの作製中におけるラビット大腿骨の骨折などにより,実験個体数の変更等が起こった。また新型コロナウイルスよる感染症の流行により,動物実験施設での実験に携わる人数制限等を行ったため,実験の効率が下がりスケジュールに変更が出たため。現在も感染に配慮した環境や実験人数で行っているが,以前より環境整備が整ってきたため,実験効率は向上している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在,研究2の骨形成促進型HAによる骨形成およびインプラント支持の検討を行っている途中であり,骨粗鬆症モデルラビットの作製は終了し,左右骨再建部の中央にインプラントを埋入し,埋入トルクを測定する部分まで終了している。試料採取まで進んでいる実験個体もあるが,n数の不足や実験効率の低下による遅延も出ている。科研費延長申請も受理されており,今後速やかに追加実験を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延,それに伴う実験機材納品の軽微な遅れ,実験環境のより一層の感染対策などにより,実験計画に若干の変更を余儀なくされている。そのため現在動物実験の追実験を行っており,研究終了後は速やかな成果報告を行っていく予定である。
|