2020 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームプロファイリングを取り入れた歯周組織再生医療研究の新展開
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19K19056
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
鬼塚 理 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10779317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA-sequencing / 歯根膜由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(MSCs)は様々な組織から単離することができる細胞集団であり、過去の研究では歯周組織再生を担う歯根膜組織からもMSCsと同様の特性を有した細胞が単離可能であることが分かっており、臨床研究から再生医療等製品として高い有効性があることも示唆されている。そのため、本研究では歯根膜由来間葉系幹細胞(PDL-MSCs)の歯周組織再生に特化した性質を担う因子を同定することを目的とし、遺伝子発現等の細胞内における反応を網羅的に解析する手法を用いて実験を行った。過去の研究より、顎骨領域の組織由来MSCsは発現パターンが近似していることが分かっているが、さらにhPDL-MSCsで特異的に発現上昇している遺伝子を、RNA-sequencing解析を用いて様々な細胞との比較解析で抽出した。 歯周組織再生においては、hPDL-MSCsの骨芽細胞への分化誘導が歯周組織再生に有効であることが分かっているため、hPDL-MSCsの骨芽細胞分化における分化機構への遺伝子発現メカニズムを調査した。その際、特に有効とされているデキサメタゾン等の試薬を用いた分化誘導刺激における遺伝子発現を、BMP2やBMP6などの成長因子との比較解析で調査し、特定の遺伝子群を抽出した。 同定した遺伝子についてはin vitroの環境でノックダウンをした後に、アルカリフォスファターゼ等の骨芽細胞分化マーカーを調査し、有意な減少を認めたため該当する5つの遺伝子群はhPDL-MSCsの歯周組織再生を担う未分化細胞の重要な遺伝子であると示唆される。今後これらの因子についてはマウス・ラットでの歯周病モデルにより、in vivoレベルでも歯周組織再生に関与しうるかについて確認する予定である。
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[Journal Article] RNA-sequencing reveals positional memory of multipotent mesenchymal stromal cells from oral and maxillofacial tissue transcriptomes2020
Author(s)
Onizuka S, Yamazaki Y, Park SJ, Sugimoto T, Sone Y, Sjoqvist S, Usui M, Takeda A, Nakai K, Nakashima K, Iwata T.
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Journal Title
BMC Genomics
Volume: 21
Pages: 417
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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