2020 Fiscal Year Annual Research Report
マウス線維芽細胞へのダイレクトリプログラミングによる唾液腺の誘導
Project/Area Number |
19K19057
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ダイレクトリプログラミング / 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では唾液腺再生技術の開発を目指し、マウス胎児線維芽細胞(MEF)から唾液腺細胞へのダイレクトリプログラミング技術の開発に取り組んだ。 2020年度はMEFに表皮細胞への分化に関連するTP63/Tfap2a/c-myc/Grhl2を導入し口腔粘膜上皮を誘導した後に、唾液腺発生に関連するSox9/Foxc1を導入し唾液腺への分化を目指す方法を検討した。4因子を導入したMEFは、平面培養では敷石状のコロニーを形成し、上皮マーカーであるE-cadherin/CK5等の発現を示した。さらに気相液相界面培養を用いた3次元培養では、MEF由来細胞にCK5陽性基底細胞とCK13陽性表層細胞が認められ、MEF由来細胞は硬口蓋の粘膜上皮に類似したケラチン発現パターンを呈することが明らかとなった。MEF由来細胞をFGF7/FGF10を添加して培養するとブランチングが認められるものの、ブランチング部の細胞集団はCK5陽性基底細胞様の性質を示し腺上皮マーカーの発現は認められなかった。 加えてMEFにTP63/Tfap2a/c-myc/Grhl2/ Sox9/Foxc1の6因子を同時に導入し唾液腺への分化を目指す方法を検討した。6因子を同時に導入したMEFは、平面培養では上皮マーカーであるE-cadherinと、腺上皮マーカーであるAQP5とCK18の発現を示し、MEF由来細胞は腺上皮様のタンパク発現パターンを示すことが明らかになった。 MEF由来口腔粘膜様組織およびMEF由来腺上皮様組織からの唾液腺分化および成熟方法について、今後も検討を継続する予定である。
|