2021 Fiscal Year Annual Research Report
特異的分子発現を利用したヒト口唇および赤唇インビトロモデル開発とその有効性の検証
Project/Area Number |
19K19068
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上野山 敦士 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40804571)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 赤唇 / 口唇 / インビトロモデル / ニホンザル / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
組織学的検索から、ニホンザル口唇にもヒト同様に皮膚、口腔粘膜と特徴が異なる赤唇があることがわかった。従って、ニホンザル口唇サンプルの皮膚、赤唇、口腔粘膜における特異的な遺伝子発現を検討することでヒト口唇の応用できると考えた。マイクロアレイ解析の結果、サルのin vivo赤唇上皮において、in vivo, in vitroの皮膚、口腔粘膜より有意に発現上昇している69遺伝子を見つけた。しかし、ヒト口唇組織でその遺伝子に関連するタンパク発現を検索したが、単独のマーカー発見には至らなかった。その代わり、ヒト赤唇ではSPRR3とK10の2重染色の陽性像が赤唇特異的なパターンであることを発見した。 医薬品などの安全性評価、製品開発や効能効果実証に動物実験使用が廃止となり、日本動物実験代替法評価センターが中心となってReplacement (代替法の利用)を推進している。3Rsの理念から、動物実験代替法の開発は急務である中、ヒト口唇モデルの開発は、世界中の人々が利用しているリップクリームや口紅などの安全性、効能を直接評価できるツールの開発につながり、大きな社会的波及効果が期待される。本課題では開発されるであろう、ヒト赤唇モデルの品質保証として特異的マーカーを突き止めた。将来的にヒト細胞で製造される3次元培養モデルは、赤唇に類似した組織形態を有し、単層培養系で困難であった製品の評価が可能となり、3Rsに大きく貢献できると思われた。
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