2020 Fiscal Year Annual Research Report
自家誘導骨芽細胞を含み自在な3D形状に構築できる再生治療用培養骨組織の開発
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19K19071
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 良樹 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (50808235)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイレクト・リプログラミング / スキャフォールド / 骨芽細胞 / 再生治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、NanoClipFD sheet、NanoClipFD fiberおよびAtelocollagenにヒト皮膚線維芽細胞を播種し、ALK5 inhibitor Ⅱ(ALK5 i Ⅱ)および1α,25-dihydroxy Vitamin D3(VitD3)を添加した骨分化誘導培地を用いて骨芽細胞誘導を行い、石灰化基質産生能および骨分化遺伝子の発現を解析した。結果として、本研究では、NanoClipFD sheetと誘導骨芽細胞(The directly converted fibroblasts)(dOB)の複合体で、control群と比較して有意な骨器質生成および骨分化マーカーの発現上昇を示し、さらに、既存の足場材料であるAtelocollagenと誘導骨芽細胞(dOB)の複合体と同等な骨器質生成および骨分化マーカーの発現上昇を認めた。また、NanoClipFD sheetと誘導骨芽細胞(dOB)の複合体は、従来のNanoClipFD fiberと誘導骨芽細胞(dOB)の複合体と比較して、骨器質生成および骨分化マーカーの発現上昇において、概ね同じパフォーマンスであることも示された。本研究では、小分子化合物および足場材料として架橋ナノゲルを用いることで、造腫瘍性のリスクおよび異種タンパクを含むことによる免疫拒絶や感染のリスクを解決し、より安全に、さらに、現状では回復手段のない大規模骨欠損を、移植術式をより簡易にした上で、既存の足場材料であるAtelocollagenと比較して何ら遜色なく回復できる可能性が示された。
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