2019 Fiscal Year Research-status Report
インプラント治療におけるヒト歯髄幹細胞由来骨芽細胞シートによる新規骨造成法の開発
Project/Area Number |
19K19073
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
村田 拓也 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (40617718)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 骨造成 / ヒト歯髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、採取が容易であり安全な自己細胞であるヒト歯髄を用いて新たな骨造成システムの確立を行うことである。不要な抜去歯から歯髄幹細胞を単離培養し、骨芽細胞への分化誘導した三次元的な積層シートの作製を行い、大型動物骨欠損モデルへの移植検証を行うことで、骨欠損における骨再生の臨床応用が目指せると考えている。そして、最新のマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計を使用することによって各種骨基質タンパク質を定量的に評価できることから、より確実な骨再生の評価を行うことができると考えている。デンタルインプラント植立時の骨欠損に対する骨造成法は多く散見されるが、ヒト歯髄をソースとした骨造成法はいまだ確立されていない。また、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計による骨評価は今までに報告がない。 すでに製作した、ビーグル犬の下顎骨歯牙抜歯後6か月経過した抜歯後骨治癒モデルに対して、同部歯牙欠損部分頬側皮質骨に直径5㎜のボックス状に骨削合し1壁性骨欠損を作製しC群(骨欠損部分に対して周囲自家骨による骨造)、D群(骨欠損状態のまま)に分けインプラント植立を行った。 インプラント植立後、C群、D群共に3か月群と6か月群とに分け屠殺した。下顎骨は10%ホルマリン液にて灌流固定し、さらに摘出後3週間10%ホルマリン液にて浸漬固定し組織固定を行った。 摘出した下顎骨は正中で左右に分割しマイクロCTにてインプラント体周囲骨の撮影を行い現在評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビーグル犬下顎骨の頬舌的な骨幅や骨形態の個体差、および下歯槽管までの距離の個体差によって骨評価に影響がでる可能性が示唆され、その部分の補正の検討が必要なため。
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Strategy for Future Research Activity |
A群、B群の歯髄幹細胞由来の細胞シートを使用したインプラント体周囲骨評価を施行する。 また、当初予定していたインプラント植立後12ヶ月の評価はとりやめ、3か月、6か月の2群の評価のみとするよう予定を変更した。
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Causes of Carryover |
次年度、実験A群、B群を施行予定であり、そのマイクロCT代として使用予定であり、またA~D群のマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計(MALDI-TOFMS)による骨評価予定である。 予定していたよりもマイクロCTとMALDI-TOFMSの費用がかかる見込みがあるため差額分を次年度使用分として使用する計画である。
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