2020 Fiscal Year Research-status Report
Challenging for dental care of photodynamic therapy on EBM
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19K19076
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小峯 千明 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60708577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抗菌的光線力学療法 / 一重項酸素 / ヒドロキシラジカル / 殺菌メカニズム / 光線力学診断 / 口腔癌スクリーニング / スメアー層 / 根管洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、過酸化水素と可視光線領域である青色LED(405nm)照射器を用いることで誤嚥性肺炎予防の取り組みを行い論文業績とした。すなわちヒドロキシラジカル(・OH)を用いたCandida albicans (C.albicans)の効果を解明した。その結果、・OHを応用した抗菌的光線力学療法はC. albicansに対して有効な殺菌効果を示し,さらにC. albicansを60%、90%および95%以上殺菌するためには少なくとも・OH発生量が約59 microM、143 microMおよび179 microMが必要であることが示唆された。これらの結果は,a-PDTをC. albicansに対して殺菌を行う際の照射時間・照射出力またはH2O2の適正濃度を決定するガイドラインになり得ると考えている。さらに義歯に対して・OHを暴露した際の表面形状にをSEMを用いて解析し、暴露後の菌再付着について現在研究を行っている。 また、根管内洗浄に光線力学療法を用いる研究の準備試料として抜去歯根管を拡大形成する際に用いたニッケルチタンファイルの切削限界についての研究も行い、論文業績とした。 現在、作製した試料の根管形成時に生じたスメアー層の除去について活性酸素種を用いた除去法について検討中である。 さらに、アミノレブリンサンおよび鉄キレート剤(DFO)を用いた光線力学診断を一般開業医でスクリーニングする手法の試みとして、擦過した細胞にそれぞれ取り込ませ、蛍光マイクロリーダーを用いることにより蛍光強度から腫瘍の可能性を検討するという試みをしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つの研究系統に対して無駄なく試料を活用でき、それぞれについて論文報告できたため。しかしながら、コロナ感染症などの影響で試薬の入荷等、困難な場面があった。とく光線力学診断の研究面において、本学倫理審査は承認されたものの来院患者の減少など予期しない事象が起きた。またその他においても研究進行にそれぞれ若干の弊害はあったので、来年度はさらに考慮して研究の進行を組み立てていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、光線力学診断の研究に関して、基礎的データは得られているので実際に病理検体を用いて採取する細胞数など具体的な方略を考えていく予定である。また昨年度、試薬の入手が困難であった半導体レーザーを用いた硬組織形成能メカニズムの解明研究を再開していく予定である。さらに抜去歯を用いた根管洗浄への活性酸素応用に関する研究においても抜去歯上で細菌培養を行い、実際の根管内での殺菌法を確立していく予定である。 最終年度でもあるので今まで得てきたデータでまだ論文発表していないものを論文報告していく予定である。
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Causes of Carryover |
R2年度も同様に国際学会・国内学会ともにwebでの開催になったため旅費が必要でなかったため。一方で、次年度使用予定であった論文校正の費用額が増えたものと考える。次年度については社会情勢を鑑み、学会参加に充てたいと考えている。もし同様にweb開催であれば試薬などを購入する予定である。
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