2019 Fiscal Year Research-status Report
ニューラルネットワーク応用によるブラキシズムパワー値推定システム構築への挑戦
Project/Area Number |
19K19082
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 利徳 北海道大学, 大学病院, 助教 (10780538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 咬合力 / 筋電図 / ブラキシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、睡眠時ブラキシズムが生体に及ぼす為害作用をブラキシズムにより発揮されるパワーの観点から明らかにするために、咀嚼筋筋電図データを用いてブラキシズム時に発揮される咬合力を推定するシステムを構築することである。 そのために随意咬みしめやブラキシズム様シミュレーション運動、ガム咀嚼や睡眠時ブラキシズム時の各種咀嚼関連筋の筋電図測定を行い、振幅,持続時間,積分値,周波数特性,包絡線特性等のデータを集める。また、随意咬みしめやシミュレーション運動では同時にデンタルプレスケールを用いて咬合力データも収集する。性別,身長,体重,体脂肪率,歯列,咬合接触状態などの各被験者の個体情報やシミュレーション運動時のデータから推定関係式を構築し、被検者数を増やすとともに妥当性の検討と修正を繰り返し、より精度の高い関係式を構築する計画である。 被検者測定のため、臨床研究プロトコールの作成、被検者の同意書書式とその取得に必要な説明文書の作成を行った。それらにより研究倫理審査は通っており、研究参加被検者を募集することができる体制を整えた。データを収集する上で必要な機材の配備としては、据え置き型筋電計のチャンネルを増やすため筋電アンプとADコンバータを導入し6チャンネルでの測定ができる環境を整えた。咀嚼関連筋へ筋電計を装着した状態で、咬合力を段階的に変えた条件での筋電図測定を繰り返し行い、咬合力と筋電図の関係の解析のトライアルを行った。咬合力は静的な咬合力としてデンタルプレスケールで記録を取り、関連の解析が十分に行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトコールの作成、測定システムの準備、研究倫理審査を通り測定が可能になるまでに想定以上の時間がかかった。 必要な機材の配備を済ませ、消耗品も揃えている。予備実験を行い、手技の確認まで済んでおり、順次データを収集し解析を行う体制が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大により、北海道大学では大学での研究活動が休止となった。この制限が解かれた後測定を再開する。 円滑に進められるよう、2020年度の予算で購入予定のT-スキャンシステムを早い段階で導入する。 被検者を対象とした測定を行い、随意咬みしめやブラキシズム様シミュレーション運動、ガム咀嚼や睡眠時ブラキシズム時の各種咀嚼関連筋の筋電図測定を行い、振幅,持続時間,積分値,周波数特性,包絡線特性等のデータを集める。また、随意咬みしめやシミュレーション運動では同時にデンタルプレスケールに加え,T-スキャンシステムを用いて咬合力データも収集する。性別,身長,体重,体脂肪率,歯列,咬合接触状態などの各被験者の個体情報やシミュレーション運動時のデータから推定関係式を構築し、被検者数を増やすとともに妥当性の検討と修正を繰り返し、より精度の高い関係式を構築する。その推定関係式を実際のブラキシズム波形へ適応し、得られた結果をもとに成果の発表を行う計画である。
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Causes of Carryover |
実際の測定体制を整え研究倫理審査を通るまで時間がかかったため、被検者への謝金分や測定用消耗品分の支出が少なかった。 2020年度はその分の被検者測定を行い、その謝金や測定にかかる消耗品費に充てる。
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