2020 Fiscal Year Research-status Report
インプラント周囲顎骨の形成・吸収を制御する骨細胞とローカルストレス閾値の解明
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19K19086
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
豊嶋 悠輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60779065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インプラント / 骨リモデリング / 組織形態計測 / 応力分布 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラントを支持する顎骨は咬合力による機械的刺激に頻繁にさらされており、過大な力学的負荷はインプラント脱離の要因の一つとして認識されている。機械的刺激によって生じる局所的な応力や歪みは、骨の構造や形態、剛性などの要因により顎骨内に不均一に分布して骨の細胞活性に影響を与え、骨吸収や骨形成につながることが知られている。しかし、局所の応力や歪みがインプラント周囲骨の細胞活動に与える影響は十分に解明されていない。 前年度は、マウス上顎骨にインプラントの埋入および機械的刺激の付与を行い、実験モデルを確立することができた。さらにチタン製のインプラントを含んだまま切片を製作することにも成功した。本年度は各マウスごとに撮影したin vivo μCTデータをもとに、マウス上顎骨およびインプラントの3次元有限要素モデルの構築、解析を行った。組織図を共焦点レーザー走査顕微鏡画像として得たのち、各マウスの3次元有限要素モデルから個々の組織像に対応する断面を切り出すことにより、組織像に対応するマウス個別の歪み分布図を得ることができた。このようにして得た歪み分布図および組織像を重ね合わせ、歪みの大きさに従って組織像を4領域に区分し、骨関連細胞の動態を組織形態学的パラメータで解析した。石灰化速度(MAR)と同義である、石灰化前線と蛍光色素カルセインのラベリング間距離は、歪みが大きな領域では小さな領域に比べて有意に大きく、骨芽細胞による骨形成活性は歪みの大きな箇所で局所的に活発となることが示された。 今後は破骨細胞数等の骨吸収関連パラメータや骨細胞に関するデータを加え、学会発表および論文の提出を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨吸収関連のデータをまだ得られておらず、解析途中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞数等の骨吸収関連パラメータや骨細胞に関するデータを加え、学会発表および論文の提出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在データの解析途中のため、また、学会発表の使用する予定であった旅費等が抑えられたため,次年度使用額が生じた。今後、データを追加するための消耗品の購入や解析ソフトの更新料、成果発表に使用する予定である。
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