2021 Fiscal Year Research-status Report
インプラント周囲顎骨の形成・吸収を制御する骨細胞とローカルストレス閾値の解明
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19K19086
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
豊嶋 悠輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60779065)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / 骨リモデリング / インプラント / 組織形態計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
メカニカルストレスが骨組織の細胞活性の変化に伴う骨のリモデリングに影響を与えることは広く知られており、インプラントを支持する骨において、繰り返し荷重は骨細胞および骨密度を増加させることが報告されている。また、インプラント周囲の応力解析の結果から、微小領域の応力と歪みは部位によって特徴的な分布を示すことが報告されている。しかし、微小領域の応力と歪みの大きさが、インプラント周囲骨の骨組織の細胞に及ぼす影響は十分に解明されていない。前年度までに確立した、荷重実験を行った動物から得た組織切片像と、有限要素解析を実施した力学モデルから取得した歪み分布図を重ね合わせて直接変化を解析する方法を用いて、本年度は破骨細胞および骨細胞に関連する項目を調査した。歪みの大きさに従って組織像を4領域に区分し、それぞれの細胞について組織形態学的計測を行った。破骨細胞の骨吸収に伴うハウシップ窩の長さを示すES/BSは、歪みが大きな領域は小さな領域に比べて有意に小さかった一方で、骨面積あたりの骨小腔数および骨小腔面積は、歪みが大きな領域は小さな領域に比べて有意に大きかった。よってインプラント周囲骨の微小領域において、歪みの大きさは破骨細胞および骨細胞の活性に影響与えることが示唆された。今後は天然歯周囲の歯槽骨において同様の方法で微小領域のメカニカルストレスが骨組織の細胞活性に与える影響を調査し、インプラント周囲骨への影響との比較を行い、学会発表および論文の提出を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会発表資料および論文は作成途中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
天然歯周囲の歯槽骨において同様の方法で微小領域のメカニカルストレスが骨組織の細胞活性に与える影響を調査後、インプラント周囲骨への影響との比較を行い、学会発表および論文の提出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
パソコンの故障等により研究の進捗状況に遅れが生じたため。次年度は有限要素解析ソフト契約の更新費や論文投稿費として使用予定である。
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