2023 Fiscal Year Annual Research Report
偏咀嚼の観点からみた片側臼歯部遊離端欠損に対する第2大臼歯までの補綴治療の必要性
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19K19096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大木 郷資 九州大学, 大学病院, 助教 (10803463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 偏咀嚼 / 補綴装置 / 片側臼歯部欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
過度な偏咀嚼の持続は、歯の破折や咬耗、顎機能障害の要因の一つと考えられている。私たちは、これまで偏咀嚼に着目し、片側臼歯部欠損患者が健常者よりも 偏咀嚼を示すこと、また片側臼歯部欠損患者に対する補綴治療(インプラント固定性補綴装置・可徹性部分床義歯)が偏咀嚼を改善することを明らかにした。 しかしながら、遊離端欠損に対して必ずしも第2大臼歯まで補綴治療せず対応する短縮歯列(Shortened Dental Arch)は臨床的に問題ないという概念がある。一方、本邦では、欠損部位はすべて補綴治療する考えが一般的であり、第2大臼歯までの補綴治療が広く行われている。しかし、第2大臼歯までの欠損補綴治療が必要かどうかという根拠は不足している。そこで、本研究は片側臼歯部遊離端欠損患者の偏咀嚼に着目し、クロスオーバー比較試験を用いることで、補綴設計(第1大臼歯までの補綴、 第2大臼歯までの補綴)が偏咀嚼に与える影響を明らかにすることを目的とした。インプラント固定性補綴装置・可徹性部分床義歯治療を行った片側臼歯部欠損45名に加え、片側の第2大臼歯部欠損が存在するにも関わらず、欠損補綴を行わっていないものの偏咀嚼データを収集を行った。片側のみ第2大臼歯部の咬合支持が失われている対象者は少なく、統計学的に比較検討することは困難であったが、片側のみ第2大臼歯部の咬合支持喪失したものの偏咀嚼に関して、咬合支持数の差よりも習慣性咀嚼側に影響される傾向がある可能性が示唆された。従って今後も被験者を収集し、統計学的な比較ができるよう検討したいと考える。
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