2020 Fiscal Year Research-status Report
マウスにおける咀嚼動態の相違が包括的な糖代謝系に与える影響
Project/Area Number |
19K19100
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
菅 悠希 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (20803620)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 咀嚼 / アディポネクチン / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウスc57BL/6Jを用いて、咀嚼が糖代謝に関係する組織とホルモン(アティポネクチン、GLP-1、UCP-1、グルカゴン)に与える影響について生化学的、組織学的検討を行う予定である。2年の研究期間で1.健常マウスにおける咀嚼が糖代謝系に与える影響2.糖尿病モデルマウスにおいて咀嚼が糖代謝系に与える影響の検討を行う予定である。 令和2年度では、1健常マウスにおける咀嚼が糖代謝系に与える影響について検討を行った。マウスを固形飼料を摂取するも群を咀嚼群,液体飼料を摂取する群を非咀嚼群と設定し、12週飼育を行った。糖負荷試験後、各種サンプルの摘出を行った。その結果、咀嚼は糖付加試験、血糖値において有意な差を与えなかった。一方、GLP-1濃度、インスリン濃度、グルカゴン濃度、アディポネクチン濃度及びUCP-1濃度においては有意な差を認めたことから、咀嚼は上記のホルモン分泌において影響を与えていたことが明らかとなった。GLP-1分泌はインスリン分泌に影響を与えること、短期の咀嚼はGLP-1分泌に影響を与えることは過去の報告からも明らかとなっているが本研究の結果から,咀嚼がアディポネクチンの分泌を促進し,インスリン感受性の維持に寄与していることが明らかとなった.また咀嚼はグルカゴン分泌に影響を与えていることが明らかとなった.アディポネクチンは内蔵脂肪の蓄積により血中濃度が低下し,高血圧や糖尿病といった生活習慣病発症のリスクを上昇させている.咀嚼によるアディポネクチンの上昇は内蔵脂肪の蓄積を介した反応である可能性が考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では咀嚼が糖代謝系に与える影響について生化学的検討及び組織学的検討を行う。生化学的な検討は問題なく進んでいるもしくは進行中である。組織学的な検討についてはやや遅れている。学内の研究者に協力を依頼する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
咀嚼が糖代謝系に与える影響について、生化学的、組織学的に検討を行う予定である。さらに、健常マウスにおいて確認ができれば、糖尿病モデルマウスにおいても同様の実験を行い、咀嚼が糖代謝系に与える影響について包括的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、研究にかけるエフォートが下がってしまった。実験計画の遂行ができていないため、補助事業の延期手続きをし、次年度に実験を改めて行う予定である。
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