2020 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼時舌運動と姿勢調整および 食品の物性との関連性の解明
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19K19112
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
覚道 昌樹 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (80758061)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 舌運動 / 咀嚼 / 超音波 / 姿勢 / 咀嚼開始食品 / 舌 / 嚥下 / 超音波診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは,咀嚼時舌運動の観察には計測後の解析作業において,外部ストレージに得られた超音波画像を保存し,トリミングおよび連結などの画像処理を行い,その後手動操作で画像上の距離を実測していく解析法が煩雑であり,臨床応用上は実現性に乏しい手段であった.さらに,本年度は新型コロナウイルスのパンデミックもあり,飲食を伴う本研究課題の被験者への実施が困難な状況でもあった.そこで,本年度は超音波診断装置を用いて食品摂取時の舌運動をより簡易に観察,評価する方法の改良を行った. 具体的にはストレージした画像に対し,二値化処理を画像処理ソフトを用いて行うことで,手動で行っていた画像解析処理の簡易化に成功した.被験食品には2 g, 4 g, 6 gにトリミングした咀嚼開始食品(プロセスリード,抹茶風味,大塚製薬工場)を用いた.被験運動は座位において,押しつぶしまたは左右側いずれかの片側の指示咀嚼と自由嚥下を指示した.被験食品2 g, 4 g, 6 g の摂取時のMモードの舌背部,オトガイ舌筋およびオトガイ舌骨筋の筋膜近接部位(以下,近接部位)の運動軌跡を肉眼的に観察した.また,舌運動の指標として摂取開始から嚥下直前までの任意の4秒間における画像の高エコー領域のピクセル値を領域抽出ソフトウエア“Flower Shape Analysis System”(http://www.kazusa.or.jp/picasos/)を用いて求め,1秒間あたりの平均値を比較検討した.舌背部と近接部位の軌跡の肉眼的観察の結果,いずれも押しつぶしでは平坦な軌跡を示し,指示咀嚼では波状を示すことから,明らかに異なる運動軌跡となった.また,画像解析の結果,高エコー領域のピクセル値は指示咀嚼時に大きいことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルスのパンデミックによる影響により,本研究計画の被験者を対象とした飲食を伴う計測の十分なデータ数を集めることが困難であった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は新型コロナウイルスの感染状況と感染対策を十分に講じたうえで,本研究計画の被験者を対象とした飲食を伴う計測を行う.また,研究計画の最終年度であることから,研究期間を通して得られたデータを取りまとめ,関連学会等において研究成果の公表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルスのパンデミックの影響もあり,本研究計画のなかで,飲食を伴う計測の実施が困難な状況であった.また,2021年度は本研究計画の最終年度であり,研究成果の関連学会での公表を計画している.これらの理由から2021年度は計測の追加実施と研究成果の公表に必要な費用を計上した.
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