2020 Fiscal Year Research-status Report
共分散構造分析による口腔機能が健康寿命におよぼす影響の解析
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19K19119
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山賀 栄次郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30706875)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔関連QoL / 無歯顎 / 口腔機能低下症 / 主観的咀嚼能力 / 義歯満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に採取したデータ43名(東京医科歯科大学歯学部附属病院に来院した上下無歯顎者で上下全部床義歯新製を希望した者)について解析した結果を2020年6月開催の日本老年歯科医学会第31回学術大会にて発表した。 研究デザインは、除外基準を、認知機能の低下している者、義歯を装着していない者、研究の同意を得られない者とした。患者の基本データ取得、口腔内診査、旧義歯評価を行ったのち、口腔機能低下症の検査項目のうち以下の4項目を実施した。①. 口腔不潔:舌苔の付着度評価(Tongue Coating Index:TCI)、②. 口腔乾燥:口腔粘膜湿潤度(口腔水分計:ムーカス、ライフ)、③. 咬合力低下:咬合圧検査(デンタルプレスケールⅡ、ジーシー)、④. 咀嚼機能低下:咀嚼能力検査(グルコラム、ジーシー)。アウトカムとして、主観的咀嚼能力を内田の食品アンケート、義歯満足度を100mm Visual analogue scale、口腔関連QoLをOHIP-EDENT-J (The Japanese version of the Oral Health Impact Profile for edentulous subjects)にて評価した。 データ解析においては、被験者より17名を除外し(認知機能の低下している者2名、日常的に義歯を装着していない者5名、欠損値を含む10名)、最終的に26名(78.6±0.5歳、男性11名)を採用した。統計解析にはSpearmanの相関係数と、Pearsonの相関係数を適用し、4つの検査項目とアウトカム(食品摂取可能率、義歯満足度、OHIPスコア)の組み合わせのうち有意な相関を認めたのは、TCIと義歯満足度およびOHIP、咀嚼能力と食品摂取可能率およびOHIPであった。 2020年度は上記に加えて10名の被験者のデータを採取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者のデータ取得ペース遅延に関しては東京都緊急事態宣言発令などにより実施研究者が当病院への入館ができなかった時期があること、また当病院がほぼ閉鎖となってしまった時期や閉鎖解除後も診療患者数が減少してしまった影響などにより被験者データ採取機会を失ってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者データ収集をより推進していくために協力同意を得られる被験者の確保に注力する。
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Causes of Carryover |
本年度は解析や発表ツール使用のためのPC購入。また本年度はほぼすべての学会がウェブ上での開催となり参加のための旅費がかからなかったため費用の次年度使用額が生じた。次年度においては、より効率的な研究推進を考慮して次年度使用額から費用を支出しての計測機器増設を検討する。
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