2020 Fiscal Year Research-status Report
炎症による骨吸収の抑制を目指した既存の歯科材料の改良と新規材料の開発
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19K19134
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
稲光 宏之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (60779495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯科材料 / 細胞毒性 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病による歯槽骨の吸収のメカニズムは炎症性サイトカインによる破骨細胞の活性化である。また破骨細胞はマクロファージから破骨細胞へと分化することで その機能を果たすことがわかっている。本研究では歯科材料の毒性と細胞分化への影響を考察し、特に破骨細胞への分化抑制とそれに伴う骨吸収抑制を期待して 新規材料の開発を行う。まずは既存の歯科材料の中で有効なものを検討した。以前の研究で、歯科用モノマーHEMAとTEGDMAの分化抑制効果が示唆されたが、濃度 の有効範囲が微量であり、より有効な材料の検討を行った。既存の歯科用モノマーであるi-BMAの破骨細胞への毒性試験では、指定の濃度決定を行って同系統の セルラインRAW細胞への分化抑制効果を検討したが、分化抑制を確認する以前に細胞死を招いてしまい、以前の研究で用いたHEMAやTEGDMAより有効でない可能性 が示唆された。その他歯科用レジンモノマーを数種類用いて同様の検討を行ったが依然として上記2種のモノマーで得られた有効性は認めず、実験は新型コロナウイルス蔓延防止のため実験室への出入りが難しい状況もあり中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
依然として有効な実験結果を得られず、また新型コロナウイルス蔓延防止のため研究代表者の実験室への出入りができていないため進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
歯科用材料のうち、現在用いているレジンモノマー系では分化抑制のみを期待して骨吸収抑制材料として有効な材料はないのかもしれない。アロマや植物由来の天然アルカロイドなど歯科用材料以外での検討も必要と思われる。
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Causes of Carryover |
実験系統がうまくいかず、予定より材料の消費が少なかったため次年度使用額が発生した 。残額は引き続き破骨細胞分化抑制に効果的な材料の検討およびその効果の検証に必要な材料の購入等に充てる予定である。
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