2021 Fiscal Year Research-status Report
炎症による骨吸収の抑制を目指した既存の歯科材料の改良と新規材料の開発
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19K19134
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
稲光 宏之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (60779495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯科材料 / 破骨細胞 / 細胞毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は歯科材料に含まれる成分のうち生体に毒性をもつものが多く報告される中、歯周炎による病的な歯槽骨吸収に対してその原因となる破骨細胞の活性を抑制することで骨吸収を抑制する効果をもつものを抽出し新規材料の開発に貢献することを目的としている。そのうち義歯や暫間修復物の作製などに広く用いられているレジン系材料を中心に様々な歯科用材料の成分における破骨細胞およびその前駆細胞と分化にかかわるシグナル伝達系の解析を行っている。しかしながらレジン系材料の主成分である既存の歯科用レジンモノマーによる破骨細胞への毒性評価は依然として過去に報告したHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)の抑制効果以上に毒性を抑えかつ分化能抑制効果を期待できるモノマーは見つからなかった。 その他可塑剤や芳香族(溶媒)、基材での実験においても同様の解析を行っているが現在までに歯槽骨吸収に対して有効と思われる破骨細胞の分化抑制効果が認められず、むしろ細胞毒性効果が強く発揮され薬理学的効果として有用なものは発見できていない。 新規材料開発への試みとしてHEMAを軸に分化抑制に影響している構造の解析や分化抑制機序についても解析を行う予定であったが新型コロナウイルスの度重なる蔓延により実験が思うように進行していない。今後は異なる細胞系への材料成分の効果を検討することも考えているが、まずは細胞系もしくは成分を絞って有効な効果とその機序について1つ1つ解析していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
材料の選択から毒性評価までに時間を要した上、有効なものを新たに発見できなかった。また、度重なる新型コロナウイルス蔓延による研究室への出入り困難も影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はオンラインでのディスカッションを含め研究協力者とともに実験円滑に実施できるよう環境整備をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延にあたって旅費が全く発生していないため。また研究報告に係る費用についても同様の事由により計上できていないため。次年度繰り越しとなった経費は延期となった旅費や研究発表にあてる予定である。
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