2019 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺CFTRチャネルに焦点をあてたインプラント周囲炎の病態解明
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19K19136
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
多田 博昭 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (60817625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / CFTR / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療は補綴処置のオプションとして一般的に広く国民に認知されており、信頼できる治療方法として確立してきた。しかし一方で術後インプラント周囲炎を呈し、結果としてインプラント治療が失敗に終わる症例も散見されるのが現状である。これまでインプラント周囲炎と補綴装置へのプラークの蓄積との関連を示す報告は数多くあるが、プラーク蓄積が必ずしもインプラント周囲炎の発症と相関しない症例が見られるのも事実である。 我々の研究室ではプラーク等の直接的な原因に加え、口腔内環境、特に唾液中の成分がインプラント周囲炎の発症に影響を与えているのではないかと考えている。 そこで本研究では口腔内環境としての唾液成分に着目し、動物実験において唾液腺導管に発現するPH調整に関わる特定のタンパク質(Cftrチャネル)を分子生物学的手法によりノックダウンし、唾液成分を人為的に変化させることでインプラント周囲炎と唾液中イオン組成との関係を明らかにすることを目的として実験を行ってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在ラットのインプラント埋入モデルを確立し、唾液腺導管を結紮することにより人工的に口腔乾燥症モデルラットを作成した。道管を結紮しないコントロールラットと比較し、インプラント周囲粘膜の炎症状態の確認と、周囲粘膜に発現する遺伝子をQuantitative PCRを用いて解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は口腔乾燥症モデルラットとコントロールラットそれぞれの検体数を増やし統計学的処理を行う予定である。またCFTRSiRNAの逆行性注入を用いたチャネルの機能抑制についてはラットを用いてその実現可能性についてさらに検討を行っていく。
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