2021 Fiscal Year Research-status Report
振動刺激を用いた睡眠時ブラキシズム抑制装置の効果の検証:ランダム化比較試験
Project/Area Number |
19K19140
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 浩崇 昭和大学, 歯学部, 普通研究生 (70824647)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 睡眠時ブラキシズム / バイオフィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズムは顎口腔系の諸器官に様々な悪影響を及ぼし,補綴歯科領域における患者QOLの低下を招く.しかし,睡眠時ブラキシズムの安全な原因療法は確立されておらず,対症療法であるスプリント療法が広く行われているのが現状である.簡便かつ高精度の診断と,その個々人の診断に対応した安全で最適な治療法の確立が望まれている.本研究では,バイオフィードバック療法に着目し,歯列への振動刺激を利用した睡眠時ブラキシズム関連咀嚼筋筋活動を抑制するオクルーザルスプリントによる睡眠時ブラキシズム抑制効果と最適な振動刺激強度を明らかにし,睡眠構築への影響を評価することにより,歯科臨床における新たな睡眠時ブラキシズムの治療法と診断法の確立を目指した.当該年度では臨床診断にて睡眠時ブラキシズムを有する者に対して,研究への同意を得た上で,3Dプリンティングで製作し感圧ピエゾフィルムを埋入した振動型オクルーザルスプリントを装着させ,睡眠時ブラキシズム測定を行なった.測定は,簡易型睡眠ポリグラフ検査装置を用い,同時に,ピエゾフィルムから得られるシグナルを取得した.睡眠ポリグラフ検査データのスコアリングを行なって睡眠時ブラキシズムエピソードのPhasic型,Tonic型,Mix型を判定した.同時に,ピエゾフィルムのシグナル解析を行い,睡眠時ブラキシズムエピソードとの一致性を判定した.睡眠構築への影響については,ベースラインおよび振動刺激なしのフェーズでの測定と比較して,振動刺激ありのフェーズとの差は認めなかった(P>0.05).さらに,振動ありのフェーズでは睡眠時ブラキシズムエピソードは5.2回/時で持続時間が35.3秒/時であったのに対し,振動なしのフェーズでは3.9回/時で持続時間が15.1秒/時と有意に減少し,振動刺激が睡眠時ブラキシズム抑制に有用であることが示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で測定の予定が遅延したため,全体的にわずかに遅れており,現在データの取りまとめを行なっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究データを広く公表するため,論文執筆を行う.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍によりデータの取りまとめの予定が先延ばしになったため,次年度使用額が生じた.次年度は学会参加および論文執筆に使用していく予定である.
|