2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規BMP-2ペプチドおよびRANKL結合ペプチドの固定化と骨関連細胞分化の制御
Project/Area Number |
19K19147
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
首藤 崇裕 大阪歯科大学, 医療保健学部, 助教 (40804604)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | BMP-2ペプチド / RANKL結合ペプチド / インプラント / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規BMP-2ペプチドとW9ペプチド(RANKL結合ペプチド)の骨芽細胞および破骨細胞分化への影響について、本研究ではこれまで、両ペプチドによる刺激は、骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞における骨芽細胞分化の遺伝子発現量を増加させ、ALP染色陽性、さらに石灰化を亢進することを捉えてきた。チタン板表面にペプチドを固定化した場合も同様に、骨芽細胞分化を促進する可能性があることがわかった。破骨細胞前駆体培養細胞株RAW264.7細胞について、W9ペプチド単独刺激では、破骨細胞分化マーカーの発現を抑制する傾向が認められていたが、両ペプチドの併用では十分なデータは得られていなかった。そこで2021年度は、2つのペプチドの骨芽細胞分化促進効果に関するこれまでのデータの再現性を取るとともに、両ペプチドによる刺激がRAW264.7細胞における破骨細胞分化マーカーの発現に与える影響をreal-time quantitative RT-PCR法により解析し、さらにTRAP染色によって破骨細胞分化・融合の評価を行った。 その結果、RANKL存在下において、W9ペプチド単独刺激の場合と同様に、両ペプチドの併用は、RAW264.7細胞における破骨細胞分化マーカーの発現を抑制し、同細胞の分化・融合を阻害することがわかった。またペプチド固定化条件の場合、可溶性条件ほどではなかったが、破骨細胞分化マーカーの発現抑制傾向が認められた。 以上より、新規BMP-2ペプチドは骨芽細胞の分化を促進し、W9ペプチドと併用することで相加的な影響を示すこと、またBMP-2ペプチドがW9ペプチドの破骨細胞分化抑制能を阻害することなく機能することが示唆された。したがって、これらのペプチドによって、チタン製インプラント周囲において骨形成優位な環境を作り出すことができると考えられた。
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