2021 Fiscal Year Research-status Report
骨形成能を持つ新規BP製剤の局所投与による新しいインプラント治療法の確立
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19K19151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 悠 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824450)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / インプラント / MPMBP / BP製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、計画した実験を行い、データを収集した。 成獣雄性wistarラット大腿骨に、長さ3mm, 直径1.5mmのチタンインプラント(特注)を埋入し、閉鎖創とした。3日に1度、インプラント埋入部周囲に、実験群ではMPMBP溶液、コントロール群では生理食塩水を投与し、1、2、3、4、12、24週で屠殺し、試料を得た。 経過観察中に肉眼的に異常な炎症や壊死はみられなかった。組織標本を作製したところ、MPMBP投与によって埋入インプラント周囲の新生骨の高さが長期間維持されるとともに、正常な骨のリモデリング機構が働き、線維骨から成熟骨への骨の成熟がもたらされていることが示された。 当研究はMPMBPがインプラント治療に対してそのリハビリテーション期間の短縮に寄与すること、有害な副作用を生じないことを期待して行うものであった。今回の実験結果からは、インプラント周囲の骨量の維持にMPMBPが有効に働き、また、新生骨のリモデリングが得られることが示された。デンタルインプラント治療に応用した際には、早期荷重が可能になり、また、顎骨壊死などの有害事象の発生が抑制されることが期待される。これらはMPMBPのデンタルインプラント支持や維持に関して肯定的な効果を示唆するものと考えられる。 2021年度末から現在まで、実験データをまとめ、論文を執筆している。2022年度中の学術雑誌への投稿を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの収集、論文の執筆へ、おおむね計画通り順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までに収集したデータは論文として発表できるに足るものである。2022年度はそれらをまとめ、執筆した論文を学術雑誌に投稿する。また、学会発表なども予定したい。 また、本研究で今後の課題として取り上げられる点は何点かあるが、特に顎骨への応用に目的を定め、適切な実験計画を考えていきたい。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進んだため、動物実験費用として計上していた分が少なく済んだ。残額は論文投稿費用、英文校正費用として使用する。
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