2019 Fiscal Year Research-status Report
蛍光標識抗Robo1抗体イムノトキシンの光化学内在化法による頭頸部癌新規治療開発
Project/Area Number |
19K19154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 紀子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10644106)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Robo1 / PCI / 蛍光物質 / イムノトキシン / 癌細胞傷害効果 / 蛍光物質 / 頭頸部扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞膜貫通型受容体であるRobo(Roundabout homolog)1 を標的とした抗Robo1 抗体イムノトキシン(Immunotoxin,IT)による頭頸部扁平上皮癌(Head and neck squamous cell carcinoma, HNSCC)における治療効果とその特異性の向上による副作用の少ない治療法の開発を目的とした。申請者らは、H29年度までの研究 [Komatsu et al. Arch Cancer Res 2017] をもとに、抗Robo1抗体IT (IT-Robo1) 単独と比較して、IT-Robo1に内在化を促進する因子としてPCI (AlPcS2aおよびそれを励起する波長 (650nm)) を併用した際に、高い癌細胞傷害効果を示すことを明らかにした。また、申請者らの予備的検討では、生体透過深度の高い近赤外線 (780nm) およびその波長で励起する既存の蛍光物質Cy7.5や既にFDAに承認されて臨床で使用されているインドシアニングリーン (ICG) のITRobo1への結合方法を使用してきた。平成30,令和1年度は、これらの生成物の活性化チェック方法を応用して、本学先端科学技術センター生命反応化学の岡本 晃充 教授らが独自に開発を行った、蛍光量子効率の高い蛍光物質とIT-Robo1の併用により、in vitroでPCIによると考えられる癌細胞傷害効果の増強を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本学先端科学技術センター生命反応化学の岡本 晃充 教授らが独自に開発を行った、蛍光量子効率の高い蛍光物質とIT-Robo1の併用により、in vitroでPCIによると考えられる癌細胞傷害効果の増強を確認したため。一方で当初予定していた蛍光物質とIT-Robo1の結合は可能ではあったが、細胞傷害効果が得られるほどの結合物質の結合は困難であり、単剤併用での効果の確認となったが、PCIによると考えられる癌細胞傷害効果の増強を確認することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の得られた結果をもとに、本学先端科学技術センター生命反応化学の岡本 晃充 教授らが独自に開発を行った、蛍光量子効率の高い蛍光物質とIT-Robo1の併用による、in vivoで癌細胞傷害効果の増強を確認すること、IT-Robo1だけでなく現在使用されている抗体医薬のイムノトキシンでの蛍光物質との併用効果を確認し、適応拡大の可能性について検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
主に解析にかかる費用が1セット数十万単位のため、端数が出てしまいますが、研究に必要な物品の追加の必要性もありますので、研究成果をあげるため有効に活用させて頂きます。
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Research Products
(1 results)