2021 Fiscal Year Annual Research Report
メッケル軟骨におけるセプトクラストの役割と破軟骨細胞との役割分担機構の解明
Project/Area Number |
19K19174
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
坂下 英 明海大学, 歯学部, 客員助教 (20823181)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メッケル軟骨 / セプトクラスト / E-FABP/FABP5 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、メッケル軟骨の吸収面に存在するセプトクラストの時間的・空間的な形態・数の変化をより詳細に解析するために胎齢16日齢(E16),E17,E18の免疫組織化学的染色の切片数を増やし、統計的分析(Steel-Dwass test) を行った。統計的分析でもセプトクラストの細胞数・セプトクラストの突起の数・セプトクラストの突起の長さに有意に変化が認められた。出生直前のE18では、E16,17と比較するとセプトクラストの細胞数・突起の数・突起の長さ減少していた。このことからメッケル軟骨に存在するセプトクラストも軟骨吸収の活性に応じてレチノイン酸や脂肪酸による代謝機構が存在し、軟骨吸収調節機構が存在することが強く示唆された。 レチノイン酸や脂肪酸は骨端版軟骨に豊富に含まれており、骨端板軟骨に存在するセプトクラストは、レチノイン酸や脂肪酸による代謝機構が存在することはすでに明らかになっている。メッケル軟骨に存在するセプトクラストもレチノイン酸・脂肪酸などの代謝機構が存在するか器官培養系を用いて解析することが本研究の一つの目的であった。E10の第一鰓弓の下顎突起を摘出しTlowel法の無血清培地を用いた器官培養では、メッケル軟骨の発生を確認することができたが、メッケル軟骨の吸収は認められず、吸収に先立った肥大軟骨細胞を認めるにとどまっていた。そこで、E12マウス胎仔を使用し器官培養を行い、実験群には培養4日目からn-3系脂肪酸やレチノイン酸を投与しそれぞれ計10日間培養を行うこととした。しかし、E12になると下顎突起の大きさが非常に大きくなっており、培養4日目には一部に壊死組織が認められた。培養条件の検討を試みたがメッケル軟骨の器官培養・吸収過程の観察は困難であった。
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